
大阪府の10月三連休(10月10日(土)〜12日(月・スポーツの日))について、宿泊日の45日前から直近(9月24日観測)までの推定OCC(OTA掲載在庫ベース)を業態別に比べた。連休初日の10月10日(土)は、シティホテルが88.8%(N=38施設・8,161室)、ビジネスホテルが76.8%(N=297施設・48,884室)、旅館が73.6%(N=23施設・655室)。45日前からの上積みはビジネスが+22.0ptと最も大きく、シティは+11.7ptにとどまる。それでもシティとの差は45日前の22.3ptから直近12.0ptまで縮まったにすぎない。残っていた在庫のうち何割が売れたかで見ると、シティ51.1%、ビジネス48.7%とほぼ並ぶ。業態差の大部分は消化スピードではなく「45日前時点のスタート地点の差」で説明できる。一方、連休最終日の10月12日(月・祝)泊はビジネスが57.9%にとどまり、3日間で最も伸びが鈍い。
対象: 大阪府のシティホテル N=38施設(8,161室)・ビジネスホテル N=297施設(48,884室)・旅館 N=23施設(655室)(ブッキングカーブの固定コホート)。本記事の価格指標は推定成約ADR(OTA等の販売データから推定される成約価格水準・税抜相当)、稼働率はOTA掲載在庫ベースの推定値。いずれも定義は記事末尾。データ時点: 2026年9月25日。
本記事のデータについて
• OCC(稼働率)=エリア内の総客室数に対する販売済み客室数の割合(OTA販売在庫に基づく推定値)。本記事では総客室の30%以上をOTA等に掲載する施設の固定コホートで算出しています。
• ADR(平均客室単価)=OTA等の販売データから推定した成約価格水準(推定成約ADR・税抜相当)。推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なります。
• 詳しい定義は記事末尾の「データについて」を参照。出典:メトロエンジンリサーチ
Key Takeaways
— 10/10(土)泊の推定OCC(2026年9月24日観測・16日前)はシティ88.8%・ビジネス76.8%・旅館73.6%。45日前からの上積みはビジネスの+22.0ptが最大。
— 45日前に残っていた在庫の消化割合はシティ51.1%・ビジネス48.7%でほぼ互角。業態差の大部分は45日前時点のスタート地点の差で説明できる。
— 最終日10/12(月・祝)のビジネスは直近57.9%、消化割合は23.2%と初日の半分以下。3日間は別々の日として価格と在庫を組む。
— 通常の土曜10/3と同じ16日前で比べた連休の上乗せはビジネス+7.7pt・旅館+7.8pt・シティ+2.9pt。23日前時点では翌週10/17が10/10を上回り、10月は通常の土曜も強い。
— 9月の土曜2日では、ビジネスの直前14日間の上積み(+13.1〜+20.3pt)の半分以上が最後の7日間に集中。土曜泊は最終週に売る在庫と単価の余地を残す。
三連休3日間×3業態の定点比較(45日前・30日前・直近)
まず、三連休3泊分の推定OCC(OTA掲載在庫ベース)を45日前・30日前・直近の3定点で並べる。対象は総客室の30%以上をOTA等に掲載する施設の固定コホートで、各宿泊日で同じ施設集合を追っている。直近値はいずれも9月24日の観測で、宿泊日までの残り日数は10/10が16日、10/11が17日、10/12が18日と1日ずつ異なる。
表1 三連休3泊×3業態の推定OCC(45日前・30日前・直近、2026年9月24日観測)業態(固定コホート)宿泊日45日前30日前直近(9/24観測)45日前→直近の上積み残在庫の消化割合完売施設率(直近・推定)シティ(N=38・8,161室)10/10(土)77.1%84.9%88.8%(16日前)+11.7pt51.1%13.2%10/11(日)72.6%78.4%82.2%(17日前)+9.6pt35.0%5.3%10/12(月・祝)66.6%72.6%75.1%(18日前)+8.5pt25.4%0.0%ビジネス(N=297・48,884室)10/10(土)54.8%65.5%76.8%(16日前)+22.0pt48.7%29.3%10/11(日)51.0%59.3%68.5%(17日前)+17.5pt35.7%6.4%ビジネス(N=298・48,919室)10/12(月・祝)45.2%51.2%57.9%(18日前)+12.7pt23.2%1.3%旅館(N=23・655室)10/10(土)57.3%65.3%73.6%(16日前)+16.3pt38.2%34.8%10/11(日)54.5%60.6%67.2%(17日前)+12.7pt27.9%17.4%10/12(月・祝)52.1%60.6%67.8%(18日前)+15.7pt32.8%8.7%
出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成
シティとビジネスは、初日10/10(土)が最も高く、最終日10/12(月・祝)が最も低い「右肩下がり」の並びになっている。とくにビジネスホテルは10/10の76.8%に対して10/12が57.9%で、初日と最終日の差が18.9ptある。シティは88.8%→75.1%で13.7ptだった。旅館は10/10の73.6%が最も高いものの、10/11(67.2%)と10/12(67.8%)はほぼ並び、最終日の上積みが+15.7ptと中日(+12.7pt)を上回った。最終日の弱さが目立たないのは旅館だけだ。
完売施設率(OTA等で掲載在庫が確認できない施設の割合・推定)にも差が出ている。10/10のビジネスは29.3%で、約3割の施設でOTA等の掲載在庫が確認できない。シティは13.2%、旅館は34.8%(23施設のうちの割合)だった。一方、10/12はビジネス1.3%、シティ0.0%と、完売施設はほとんど見られない。推定OCCと完売施設率がそれぞれ何を映すかは、推定OCCと完売率は何が違うのかで東京都のデータをもとに整理している。
次のチャートは、初日10/10(土)の3業態のブッキングカーブを45日前から直近(16日前)まで描いたもの。
出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成
シティは45日前時点ですでに77.1%と高い位置から始まり、30日前の84.9%を過ぎたあたりから伸びが緩やかになった。ビジネスは54.8%から出発し、45日前〜30日前で+10.7pt、30日前〜直近で+11.3ptと、ほぼ一定のペースで積み上げている。旅館は小規模なコホート(23施設・655室)のため振れがあるが、最終的な上積み幅はシティとビジネスの中間に位置する。
業態差は「もともとの差」か「消化スピードの差」か
シティとビジネスの推定OCCの差は、10/10で45日前22.3pt→直近12.0ptと10.3pt縮んだ。ポイント差だけを見ると「ビジネスの方が速く売れている」と読める。ただ、ビジネスは45日前に45.2%の在庫が残っていたのに対し、シティは22.9%しか残っていなかった。残り在庫が多い業態ほどポイントを積み上げやすいのは当然で、ポイント差の縮小をそのまま「消化の速さ」とは言えない。
そこで、45日前に残っていた在庫のうち直近までに消化された割合(残在庫の消化割合=上積み幅÷45日前の残り在庫)で比べる。10/10はシティ51.1%、ビジネス48.7%で、差は2.4ptにとどまる。つまり、10/10の業態差は45日前時点のスタート地点の差がほぼすべてで、そこから先の消化スピードは両業態ともほぼ互角と読める。10/11(シティ35.0%・ビジネス35.7%)と10/12(シティ25.4%・ビジネス23.2%)でも同じ傾向で、日付ごとの消化割合はシティとビジネスでほとんど変わらない。
業態差より大きいのは宿泊日による差だ。ビジネスの残在庫の消化割合は、10/10の48.7%に対して10/12は23.2%と半分以下になる。最終日の弱さは、スタート地点の低さ(45日前45.2%)と消化スピードの遅さの両方から来ている。
連休効果の大きさも確認しておく。前週の通常の土曜である10/3と、同じ16日前の時点で比べた結果と、翌週土曜10/17との23日前時点での比較を下表にまとめた。
表2 連休初日10/10と通常の土曜(10/3・10/17)の同一リードタイム比較業態10/10(土)16日前10/3(土)16日前連休初日の上乗せ10/10(土)23日前10/17(土)23日前シティ(N=38)88.8%85.9%+2.9pt88.1%90.8%ビジネス(N=297)76.8%69.1%+7.7pt71.9%74.2%旅館(N=23)73.6%65.8%+7.8pt67.0%67.6%
出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成
16日前時点で見ると、連休初日の10/10は通常の土曜10/3に比べて、ビジネスが+7.7pt、旅館が+7.8pt高いのに対し、シティは+2.9ptにとどまる。通常の土曜でもすでに高い水準にあるシティは、連休による上乗せが出にくい。反対に、ビジネスと旅館は連休の恩恵を受けやすい構造がうかがえる。
一方、23日前時点では翌週の土曜10/17の方が10/10より高く、シティ90.8%対88.1%、ビジネス74.2%対71.9%だった。10月の大阪は三連休だけが突出する月ではなく、通常の土曜も連休初日と同等かそれ以上に強い。三連休だけを特別扱いして価格や在庫の設計を組むと、ほかの土曜の機会を見落とすおそれがある。
3日間を業態別に並べると、次のようになる。
出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成
ビジネス業態の直前2週間 — 残り在庫をどう扱うか
10/10(土)のビジネスホテルは、16日前時点でコホート全体の23.2%(11,331室)がまだOTA等で販売中だ。10/12(月・祝)は42.1%(20,618室)が残っている。この在庫を直前2週間でどう扱うかが、連休の着地を左右する。
参考として、直前まで観測が完了した9月の土曜2日(通常の土曜9/12と、シルバーウィーク初日の9/19)のビジネス・シティのカーブを確認した。コホートは10月と一部異なる(ビジネスN=296・294施設、シティN=35施設)ため、水準ではなく「直前にどれだけ積み上がるか」の型として読む。9月の5連休そのものの日別の需要配分は、大阪・2026年9月の5連休は「前半2泊」に需要集中で詳しく分析している。
表3 9月の参照日(9/12・9/19)の直前2週間の上積み宿泊日・業態16日前14日前7日前前日14日前→前日7日前→前日9/12(土)ビジネス(N=296・48,736室)63.3%64.8%70.8%85.1%+20.3pt+14.3pt9/19(土・シルバーウィーク初日)ビジネス(N=294・48,505室)79.8%80.8%85.6%93.9%+13.1pt+8.3pt9/12(土)シティ(N=35・8,016室)73.1%74.4%78.9%86.8%+12.4pt+7.9pt9/19(土・シルバーウィーク初日)シティ(N=35・8,016室)87.0%87.2%89.1%94.4%+7.2pt+5.3pt
出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成
ビジネスは、14日前から前日までの上積みが9/12で+20.3pt、9/19で+13.1ptあった。そのうち最後の7日間だけで+14.3pt・+8.3ptを占める。直前2週間の上積みの半分以上が最後の1週間に集中しており、とくに前日から前々日にかけての伸びが大きい(9/12は2日前80.0%→前日85.1%)。シティの上積みは+12.4pt・+7.2ptと、ビジネスより小さい。
出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成
このチャートは、9月の土曜2日と10/10のビジネスホテルのカーブを重ねたもの。10/10は16日前の時点で76.8%と、同じ16日前の9/12(63.3%)を13.5pt上回り、シルバーウィーク初日の9/19(79.8%)に近い水準にある。9月の型が当てはまるかどうかは今後の販売次第だが、少なくとも「直前の1週間にまとまった需要が入る」という形はどちらの土曜にも共通していた。直前2週間の在庫を早い段階で値下げして出し切るより、最終週に売る在庫と単価の余地を残しておく方が、この形に沿った在庫の扱いになる。
一方、10/12(月・祝)泊は性格が異なる。翌日は平日の火曜で、連休の延長として泊まる需要と、翌日の仕事に向けた前泊需要が混ざる。ビジネスの残在庫の消化割合は23.2%と低く、土曜と同じやり方で最終盤まで在庫を残すと取りこぼしにつながりやすい。初日から連泊を促す設計や、単泊需要を取り込む条件づくりを早めに進めたい。
補助指標: 推定成約ADRの月次水準
価格側は、推定成約ADR(税抜相当)の月次水準のみを補助的に参照する(日別の価格は扱わない)。前年同月比は確定月同士でのみ算出した。
表4 推定成約ADRの月次水準(大阪府・業態別、税抜相当)業態2025年10月(確定)2025年8月(確定)2026年8月(確定)8月の前年同月比(確定同士)2026年10月(現時点の販売状況に基づく推定)シティホテル¥16,085(N=91)¥17,291(N=91)¥13,078(N=97)−24.4%¥15,055(N=97)ビジネスホテル¥13,113(N=497)¥13,211(N=499)¥8,772(N=503)−33.6%¥10,698(N=495)旅館¥11,065(N=40)¥12,799(N=39)¥11,326(N=36)−11.5%¥14,918(N=37)
出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成
2026年10月の推定成約ADRは、現時点の販売状況に基づく推定でシティ¥15,100前後(N=97)、ビジネス¥10,700前後(N=495)、旅館¥14,900前後(N=37)。2026年10月の値は今後の販売で変わり得るため、2025年10月の確定値(シティ¥16,100・ビジネス¥13,100)との単純比較は月末の確定を待つ。確定月同士で見ると、直近の2026年8月は前年同月比でシティ−24.4%、ビジネス−33.6%、旅館−11.5%。比較対象の2025年は大阪・関西万博の会期(2025年4月13日〜10月13日)と重なっており、前年比は万博期間の高い水準との比較になる点に注意したい(万博翌年の前年比の扱い方は大阪の推定成約ADRは前年比−25%、前々年比は+1.6%を参照)。なお、推定成約ADRの対象施設数(N)は、ブッキングカーブの固定コホートとは集計の母集団が異なる。
大阪のビジネス・シティホテルを運営するレベニューマネージャーへ — 示唆とアクションプラン
1. 業態差は「スタート地点」で決まっている。10/10のシティとビジネスの差は45日前の22.3ptから12.0ptまで縮んだが、残在庫の消化割合は51.1%対48.7%とほぼ同じだった。自館の遅れを判断するときは、市場とのポイント差だけでなく「45日前に残っていた在庫の何割が売れたか」を並べて見たい。ポイント差が大きくても消化割合が市場並みなら、問題は直前の売り方ではなく、45日前までの仕込み(早期の販売条件や露出)にあると読める。
2. 連休3日間は「別々の日」として扱う。ビジネスの残在庫の消化割合は10/10の48.7%に対して10/12は23.2%だった。3日間を同じ価格帯・同じ在庫方針でまとめて扱うと、初日の値上げ余地と最終日の取りこぼしが同時に起きやすい。
3. 連休の上乗せ効果は業態で違う。通常の土曜10/3と同じ16日前時点で比べると、連休初日の上乗せはビジネス+7.7pt・旅館+7.8ptに対し、シティは+2.9ptだった。シティは平常の土曜の時点ですでに需要が強く、「連休だから」という理由だけの値上げは根拠が薄くなりやすい。
4. 10月は通常の土曜も強い。23日前時点では翌週の10/17が10/10を上回っていた。三連休の検証と並行して、10月後半の土曜の設定も同じ物差しで点検しておきたい。
時間軸別アクションプラン — 16日前から前日まで
表5 時間軸別のアクションプラン時間軸打ち手判断トリガー(記事中の数値)狙い今週(宿泊日の16〜14日前)10/10・10/11・10/12の自館の推定稼働を、市場の直近値(ビジネス76.8%・68.5%・57.9%、シティ88.8%・82.2%・75.1%)と並べて日別に位置取りを確認する自館が市場より大きく下回る日が最終日10/12に集中しているなら3日間を一律に扱わず、弱い日だけを個別に手当てする前提を作る今週(同上)10/10の販売条件(最低泊数・販売単価帯)を見直すビジネス業態で10/10の完売施設率が29.3%に達し、周辺の空室が細っている状況が続くなら初日だけの値上げ余地を検討し、最終日への連泊誘導とセットで設計する1週間前まで(13〜7日前)10/12(月・祝)の単泊需要の受け皿を整える(プラン条件の緩和、法人・近隣需要向けの露出強化など)ビジネス10/12の直近値57.9%・残在庫20,618室という市場の厚い空室と自館の状況が同じ傾向なら値下げ一辺倒ではなく、条件面での取り込みを先に検討する1週間前まで(同上)10/10の残室を早い段階で出し切らず、段階的に開放する計画を立てる9月の土曜2日の型でビジネスの最終7日間の上積みが+8.3〜+14.3ptだったことを踏まえ最終週の需要を受け止める在庫と単価の余地を残す最終週(6日前〜前日)日次で残室と市場の完売施設率を点検し、単価と開放在庫を小刻みに調整する市場の完売施設率が上昇を続け、自館の残室が想定より多く残っていない場合取り切れる需要を最終盤まで取り込みつつ、安売りでの埋め急ぎを避ける連休明け3日間の最終着地を45日前・30日前・直前の3定点で記録し、次の連休(11月以降)の比較基準にする本記事の上積み幅・消化割合と自館の実績に差があった日があれば自館固有の「型」を持ち、次回の仕込みの判断材料にする
出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成
いずれも市場全体の推定値から読める示唆で、個々の施設の立地・客室構成・販売チャネルによって最適な打ち手は変わる。自館の予約データと照らし合わせたうえで、取り入れられるものから検討したい。
まとめ — 連休の業態差を読むための3つの物差し
①差は「ポイント差」と「残在庫の消化割合」の両方で見る。大阪の10/10はシティ88.8%・ビジネス76.8%と12.0ptの差があるが、45日前からの消化割合は51.1%と48.7%でほぼ同じだった。差の正体は消化スピードではなく、45日前時点のスタート地点にある。
②連休効果は「同じ残り日数の通常の土曜」と比べて測る。16日前時点の上乗せはビジネス+7.7pt・旅館+7.8pt・シティ+2.9pt。翌週土曜10/17の方が高い時点もあり、10月は連休以外の土曜も強い。
③直前2週間は「最後の1週間」に在庫を残す。9月の土曜2日では、ビジネスの直前14日間の上積み(+13.1〜+20.3pt)の半分以上が最後の7日間に集中していた。最終日10/12のように消化の鈍い日は、逆に早めの手当てを検討したい。
よくある質問
Q. 大阪の10月三連休で、ビジネスホテルの推定OCCがシティより低いのは売れ行きが遅いからですか?
A. そうとは言えません。45日前に残っていた在庫のうち直近までに売れた割合(残在庫の消化割合)は、10/10でシティ51.1%、ビジネス48.7%とほぼ同じです。差の大部分は45日前時点の水準(シティ77.1%、ビジネス54.8%)で決まっています。
Q. 残在庫の消化割合はどう計算しますか?
A. 45日前から直近までの推定OCCの上積み幅を、45日前時点の残り在庫(100−推定OCC)で割ります。10/10のビジネスなら(76.8−54.8)÷(100−54.8)で48.7%です。ポイント差だけでは残り在庫の多い業態ほど伸びが大きく見えるため、この割合を併せて見ます。
Q. 連休最終日の10/12はどう扱うべきですか?
A. ビジネスの直近値は57.9%、残在庫の消化割合は23.2%と3日間で最も低い日です。翌日が平日の火曜で需要の性格が土曜と異なるため、最終盤まで在庫を残すより、初日からの連泊を促す設計や単泊需要を取り込む条件づくりを早めに進める方が取りこぼしを抑えやすくなります。
Q. 三連休は通常の土曜よりどれくらい強いですか?
A. 宿泊日の16日前時点で通常の土曜10/3と比べると、連休初日10/10の上乗せはビジネス+7.7pt、旅館+7.8pt、シティ+2.9ptです。一方、23日前時点では翌週の土曜10/17(シティ90.8%・ビジネス74.2%)が10/10(シティ88.1%・ビジネス71.9%)を上回っており、10月は連休以外の土曜も強い月です。
Q. 直前2週間の在庫はいつ売れる傾向がありますか?
A. 直前まで観測が済んだ9月の土曜2日(9/12・9/19)のビジネスホテルでは、14日前から前日までの上積み(+20.3pt・+13.1pt)のうち、最後の7日間が+14.3pt・+8.3ptと半分以上を占めました。前日にかけての伸びも大きく、土曜泊は最終週に売る在庫を残しておく形がこの傾向に沿います。
データについて
・推定OCC(OTA掲載在庫ベース)の定義: OTA掲載在庫ベース稼働率 = 100 − 100 × OTA掲載残室数 ÷ 総客室数。対象は総客室の30%以上をOTAに掲載する施設で構成した固定コホート(各宿泊日で同じ施設集合。本記事ではその施設数をN=で表記)。OTA上で販売される在庫の消化状況に基づく推定値であり、実客室稼働率とは定義が異なる(掲載外の客室を消化済み側に数えるため高めに出る)。
・ブッキングカーブ: 宿泊日の45日前から直近までの観測に基づく。対象は大阪府(主要予約サイト掲載ベース)。10月三連休と10/3・10/17はシティN=38施設/8,161室、ビジネスN=297施設/48,884室(10/12はN=298施設/48,919室)、旅館N=23施設/655室の固定コホート。9月の参照日は9/12がシティN=35施設/8,016室・ビジネスN=296施設/48,736室、9/19がシティN=35施設/8,016室・ビジネスN=294施設/48,505室。直近値は2026年9月24日の観測。
・推定成約ADR: OTA等の販売データ(最安プラン水準×業態別係数・複数チャネルのアンサンブル)から推定した成約価格水準(税抜相当)。過去月は確定値、現在・未来月は現時点の販売状況に基づく推定値。公表運営実績との照合で誤差中央値6.6%。対象N=は表中に月別で記載(大阪府・シティホテル/ビジネスホテル/旅館)。
・完売施設率: OTA等で掲載在庫が確認できない施設の割合(推定)。残在庫の消化割合: 45日前から直近までの推定OCCの上積み幅を、45日前時点の残り在庫(100−推定OCC)で割った値。
・データ時点: 2026年9月25日。販売状況・在庫は日々変動するため、本記事の数値は取得時点のスナップショットである。
参考資料・出典一覧
■ データソース
メトロエンジンリサーチが収集するOTA掲載在庫・販売データ(大阪府)。ブッキングカーブは固定コホート(10月三連休: シティ38施設・ビジネス297施設・旅館23施設)の2026年8月26日〜9月24日の観測、推定成約ADRは2025年1月〜2026年12月の月次集計。大阪・関西万博の会期は博覧会協会の公表資料による。
■ 試算前提
推定OCC=100−100×OTA掲載残室数÷総客室数。残在庫の消化割合=(直近の推定OCC−45日前の推定OCC)÷(100−45日前の推定OCC)。9月の参照日はコホートが10月と一部異なるため、水準ではなく直前期の上積みの形の参照に限定した。2026年10月の推定成約ADRは販売途中の推定値。
■ 限界・留意点
OTA掲載外の客室を消化済み側に数えるため、実客室稼働率より高めに出る。直近値は宿泊日の16〜18日前の断面で、着地値ではない。旅館は23施設・655室と小さく、日々の振れが大きい。市場全体の推定値であり、個々の施設の実績とは異なる。
■ 外部出典
・2025年日本国際博覧会協会「開催概要」(大阪・関西万博の会期)
