
執筆:外為どっとコム総合研究所 小野直人
執筆日時 2026年9月25日 15時00分
【この記事でわかること|ユーロ円・ポンド円見通し】
ユーロ円の予想レンジ:178.00〜182.00円
ポンド円の予想レンジ:207.50〜212.00円
円安でも戻り切れず、ユーロ円・ポンド円は上値の重い展開
ユーロ円:ECBの次回利上げ時期(10月か12月か)が焦点
ポンド円:BOEより英国財政問題が重石、211.57〜212.00円が重要抵抗帯
筆者のメインシナリオは、ユーロ円は178.00~182.00円、ポンド円は207.50~212.00円の範囲で、上値の重さを残す展開です。来週は、ユーロはECBの次回利上げ時期、ポンドは英国の財政問題が大きなテーマになりそうです。
今週のユーロ円・ポンド円は円安でも戻り鈍い展開に
前回は、円売りが続けばユーロ円182.50円・ポンド円213円まで反発余地があるとみていましたが、ドル円が159円台へ上昇したにもかかわらず両通貨は180円・209円付近まで押し戻されました。
背景には米金利上昇によるドル高があり、ユーロ安・ポンド安がクロス円の上昇を相殺しました。
来週も円の動きだけでなく、ユーロやポンドそのものに買い材料があるかを確認したいところです。
ユーロ円見通し|ECBの次回利上げは10月か12月かが焦点
9月のユーロ圏総合PMIは53.1と、8月の52.0から上昇しました。景気が予想以上にしっかりしている一方、エネルギー高を背景に企業のコスト負担も強まっています。
こうした状況からECBの追加利上げ観測は続いていますが、焦点は「利上げするか」よりも、次の利上げが10月なのか、それとも12月なのかに移っています。
足元では10月利上げの織り込みが50%をやや上回る程度で、ほぼ五分五分です。来週のドイツCPIやユーロ圏HICPが強ければ10月利上げへの期待が高まり、ユーロを支えそうです。反対に物価の落ち着きが確認されれば、次回利上げは12月との見方が強まり、上値を抑える可能性があります。
ユーロ円のテクニカル分析|181.52円と178円が重要ライン
ユーロ円は現在180円付近で推移しています。まず注目したいのは25日線の181.52円です。ここを上抜けば182.00円、さらに50日線の182.99円が視野に入ります。
一方、180円を割り込み、179円も維持できなくなれば、178.00円から9月安値177.85円への下押しに注意が必要となります。
【ユーロ円チャート 日足】

ユーロ円 日足/ 25・50・200日移動平均線/14日RSI 外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
ポンド円見通し|BOEより英国財政問題が重しに
ポンド円では、BOEの追加利上げ観測以上に気になるのが英国の財政問題です。
英国の8月公的部門借入額は183億ポンドと、市場予想の155億ポンドを上回りました。4~8月累計でもOBR(予算責任局)の想定を上回っており、10月28日の予算案を前に財政運営への警戒が高まっています。
BOEの追加利上げ観測を背景に金利が上昇するのであれば、一般的にはポンドを支えます。しかし、財政不安から英国債が売られ、金利が上昇する場合は政府の利払い負担が増加し財政余力の低下懸念から、ポンド売りにつながることがあります。
また、BOE内では、追加利上げを支持する声が徐々に広がりつつあります。ロンバルデリ副総裁は、中東情勢が長引き、エネルギー価格の高止まりが続けば、追加利上げの必要性が高まるとの見方を示しました。
ただし、BOEは利上げを急いでいるわけではありません。9月の英総合PMIは51.7と8月の52.5から低下するなど、景気の弱さやインフレの落ち着きも確認しながら判断する姿勢で、「英国は、インフレ抑制のための利上げと、景気・財政への負担との板挟み」の状況が続いています。
ポンド円のテクニカル分析|211.57円と207.50円が焦点
ポンド円は209円台前半です。上値では25日線211.57円から212.00円が重要になります。ここを超えられなければ、戻りの鈍い状態が続きそうです。
一方、209円を明確に割り込むと208円、その下は207.50円から9月安値207.09円が次の目安になります。
【ポンド円チャート 日足】

ポンド円 日足/25・50・200日移動平均線/14日RSI 外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
重要イベント・経済指標(2026年9月28日〜10月2日)
9月28日(月)
08:50 日本 日銀・金融政策決定会合議事要旨
08:50 日本 8月企業向けサービス価格指数
26:30 アメリカ リッチモンド連銀総裁発言
9月29日(火)
18:00 ユーロ 9月経済信頼感
18:00 ユーロ 9月消費者信頼感(確定値)
22:00 アメリカ 7月住宅価格指数
23:00 アメリカ 9月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)
23:00 アメリカ 8月雇用動態調査(JOLTS)求人件数
27:00 アメリカ NY連銀総裁発言
9月30日(水)
15:00 イギリス 4-6月期四半期国内総生産(GDP、改定値)
15:00 イギリス 4-6月期四半期経常収支
16:55 ドイツ 9月失業率
19:00 日本 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
21:00 ドイツ 9月消費者物価指数(CPI、速報値)
21:15 アメリカ 9月ADP雇用統計
21:30 アメリカ 8月個人所得
21:30 アメリカ 8月個人消費支出(PCEデフレーター)
21:30 アメリカ 4-6月期四半期実質国内総生産(GDP、確定値)
22:45 アメリカ 9月シカゴ購買部協会景気指数
28:25 アメリカ クックFRB理事発言
10月1日(木)
07:00 アメリカ ミネアポリス連銀総裁発言
08:50 日本 7-9月期日銀短観・四半期大企業製造業業況判断
08:50 日本 日銀会合の主な意見(9月17・18日分)
17:00 ユーロ 9月製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値)
17:30 イギリス 9月製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値)
18:00 ユーロ 8月失業率
18:30 アメリカ 9月チャレンジャー人員削減数
21:30 アメリカ 新規失業保険申請件数
22:30 ユーロ ラガルドECB総裁発言
23:00 アメリカ 9月ISM製造業景況指数
10月2日(金)
08:30 日本 9月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く)
08:30 日本 8月失業率
18:00 ユーロ 9月消費者物価指数(HICP、速報値)
21:30 アメリカ 9月雇用統計
外為どっとコム「経済指標カレンダー」
ハロンズFX「来週のユーロ円 ポンド円見通し」(過去分)
外為どっとコム総合研究所
小野 直人
株式会社DZHフィナンシャルリサーチでの情報配信業務、上田ハーロー株式会社での調査・市場部門を経て、2021年より外為どっとコム総合研究所へ参画。ニュースベンダーとFX会社で培った「情報の目利き力」と「市場実務の経験」を武器に、個人投資家へ有益な情報を発信している。ドル円などの主要通貨に加え、トルコリラ・メキシコペソなどの新興国通貨、日経平均・NYダウといった株価指数(CFD)まで、幅広い金融商品の分析を得意とするマーケットアナリスト。
