2026年06月09日 19時00分
メモ

アメリカの国防総省が現地時間の2026年6月8日、中国の電子商取引大手であるAlibaba(阿里巴巴)や中国最大手の検索エンジンのBaidu(百度)、電気自動車メーカー大手のBYD(比亜迪)などを、中国の人民解放軍を支援しているとされる企業を載せたブラックリスト「1260H条リスト」に追加しました。
US says BYD, Baidu, Alibaba and other tech giants are aiding China’s military | Reuters
https://www.reuters.com/world/asia-pacific/pentagon-lists-entities-designated-chinese-military-company-2026-06-08/
US names Alibaba, BYD, Baidu as supporting China’s military | AP News
https://apnews.com/article/china-military-pentagon-alibaba-byd-baidu-unitree-4d664a6f164538b451263eafcceddaa5
国防総省は2021年度に成立した国防権限法に基づき、アメリカで直接的・間接的に活動を行い、中国の軍事活動に寄与している企業を特定・開示することが義務づけられています。この開示リストは1260H条リストと呼ばれ、2026年2月には一時的にAlibaba・Baidu・BYDが追加されたものの、すぐに削除されていました。
アメリカが「中国人民解放軍の支援企業リスト」にAlibaba・Baidu・BYDを追加するも即削除 – GIGAZINE

国防総省が6月8日に更新した1260H条リストには、再びAlibaba・Baidu・BYDが掲載されました。海外メディアのロイターは、「この更新は2025年初頭のリストに取って代わるものであり、ドナルド・トランプ大統領が中国の北京の習近平国家主席を訪問し、両首脳が微妙な貿易戦争の休戦を維持してから1カ月もたたないうちに発表されました」と述べています。
今回のリストには188社もの中国企業が掲載されており、昨年の130社から大幅に増加しました。Alibaba・Baidu・BYDの他には、中国の大手メモリチップメーカーであるCXMTとYMTC、バイオテクノロジー企業のWuXi AppTec、AI搭載ロボット企業のRoboSense Technology、中国を代表する人型および四足歩行ロボットメーカーのUnitreeなどが新たに追加されました。Unitreeは6月1日、アメリカのチップメーカーであるNVIDIAと提携して開発した研究者向けロボットを発表したばかりです。
Alibabaはロイターへの声明で、1260H条リストに掲載されたことには根拠がないと指摘。「Alibabaは中国の軍事企業ではなく、いかなる軍民融合戦略にも関与していません。当社を誤って伝える行為に対しては、あらゆる法的措置を講じます」とコメントしています。また、WuXi AppTecとBaiduもリストへの掲載は誤りであるとして、リストからの削除を求める方針を示しました。
アメリカの中国大使館は、中国政府は「中国企業を標的にした差別的なリスト作成」に反対しており、中国企業は現地の法律や規制を順守していると主張。「アメリカは誤った慣行をやめ、中国企業にとって公平で公正かつ差別的でない環境を作るべきです」と大使館の報道官は述べました。
なお、今回の更新で1260H条リストから削除された企業としては、中国国有石油大手である中国海洋石油集団(CNOOC)傘下のCNOOC ChinaやCNOOC International Tradingが挙げられます。企業がリストから削除される理由には、人民解放軍との関係がないと判断された場合に加え、アメリカで事業を行っていなかったり、企業名が変更されたりするケースもあるとのこと。

アメリカ連邦議会下院の中国特別委員会で委員長を務めるジョン・ムーレナー議員は、「このリストはアメリカの企業、あらゆるレベルの行政府、そしてアメリカ国民への警告です。これらの中国企業は、我が国の国益に反して中国軍と協力しています」と述べました。
なお、1260H条リストに掲載された企業には正式な制裁措置こそありませんが、国防総省は6月末からこれらの企業と直接契約を結ぶことが禁じられ、2027年からは第三者を通じて間接的に製品やサービスを購入することも禁止されます。そのためロイターは、これらの措置は中国企業とそのパートナー企業にとって、実質的なコストを伴う可能性があると指摘しました。
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