金沢美大 発 初 ベンチャー 工芸、アート 新たな価値創出目指す

山村慎哉学長(手前左)から盾を受け取る今西泰赳代表=金沢市の金沢美術工芸大で

技術専門員や出身作家ら設立 金沢美術工芸大(金沢市)の技術専門員や同大出身のアーティスト10人が、工芸やアートの新たな価値創出に取り組むベンチャー企業「KOGEI PLUS合同会社」を設立した。8日、同大発のベンチャー第1号として、称号付与式が校内で開かれた。(鈴木沙弥)

 技術専門員は、同大の新キャンパス共通工房で学生への技術指導などを担うほか、作家としても活動。それぞれが陶芸、染織、金工、木工、デジタル加工など多彩な領域に携わる。

 海外富裕層市場の開拓を目指す技術専門員のプロジェクト「KANABI KOGEI+」が、2025年度の1年間、北陸3県の大学や高専でつくるスタートアップ創出プラットフォーム「TeSH」の支援プログラムに採択され、複数の領域を横断・融合した作品を展開。今年4月1日からは合同会社として発足し、作品制作や空間演出、ワークショップなどのほか、地域の作家の支援なども掲げる。

 金沢美術工芸大は、教職員や学生が興したベンチャー企業に対し、「金沢美術工芸大学発ベンチャー」の称号を付与する制度を今年1月に創設し、大学の商標や施設の使用などで支援する。

 第1号の称号付与式では山村慎哉学長が、「KOGEI PLUS合同会社」代表で技術専門員(陶磁)の今西泰赳(ひろたけ)さんに、船の帆をモチーフにした盾を授与した。

 山村学長は「理工系ではない小さい大学から、工芸中心の企業が生まれたのは喜ばしい。工芸は、古いものだけではなく新しい技術を取り入れ、地域の伝統や社会と結び付けて共存していく分野。大学にとっても大きな一歩」と語った。今西さんは「素晴らしい環境から生まれた会社。前進あるのみ。学生へのロールモデルも、先輩として見せていきたい」と前を見据えた。

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