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2025年から2026年にかけ、日本列島周辺では規模の大きな地震や津波が相次いでいます。青森県東方沖、島根県東部、そして直近では長野県や三陸沖、沖縄と、短期間に震度5強以上の揺れが各地で観測されており、「次はどこで起きるのか」「南海トラフ巨大地震の前触れではないか」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。今回は、最近の地震の傾向や津波の発生頻度をはじめ、今備えるべき防災のポイントを紹介します。

最近の規模の大きな地震について

最近、大きな地震が頻発しています。しかし、一つひとつの地震を詳しく見ると、震源の深さや発生のメカニズムが異なることがわかります。まずは最近の規模の大きな地震について振り返ってみましょう。

【2025年12月8日】青森県東方沖の地震

マグニチュード(M)
7.5

震源の深さ
約54km

地震のタイプ
海溝型地震(プレート境界)

最大震度
6強

長周期地震動
階級3を観測

津波
・津波警報発表
・岩手県久慈港で0.7mなど観測

備考
・北海道・三陸沖後発地震注意情報を発表
・12月12日に津波を伴うM6.9の余震が発生

表:筆者作成(以下同様)

震源が約54kmとやや深い場所で発生した、左右から押し合う力によって上側の地盤がのし上がるように動く「逆断層型」の海溝型地震です。太平洋プレートが陸のプレートの下に沈み込む境界で発生し、東北から関東にかけての広い範囲で揺れを観測しました。この地震では、後発の巨大地震への注意を促す「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が発表されました。

【2026年1月6日】島根県東部の地震

マグニチュード(M)
6.4

震源の深さ
約11km

地震のタイプ
内陸型地震

最大震度
5強

長周期地震動
階級4を観測

津波
なし

備考
本震直後から震度3〜4の余震が多発

震源が約11kmと浅い場所で発生した「横ずれ断層型」の内陸地震です。この地震では特に長周期地震動が注目され、高層ビルなどで固定していない家具の大半が移動・転倒し、はわないと動けないほどの激しい揺れとなる階級4が観測された地域もありました。

【2026年4月18日】長野県の地震

マグニチュード(M)
① 5.0(13時20分)
② 5.1(14時54分)

震源の深さ
① 約8km
② 約10km

地震のタイプ
内陸型地震

最大震度
① 5強
② 5弱

長周期地震動
階級1以上の地域なし

津波
なし

備考
短時間に最大震度5強を含む強い地震が2回発生

震源が約10kmと浅い場所で発生した「逆断層型」の内陸地震です。この地震では、短期間に同規模の地震が2回発生しているのが特徴です。一般的に「大きな揺れのあとは、それ以下の余震に注意」と考えがちですが、この事例のように同程度の規模の地震が続発するケースもあります。

【2026年4月20日】三陸沖の地震

マグニチュード(M)
7.7

震源の深さ
約19km

地震のタイプ
海溝型地震(プレート境界)

最大震度
5強

長周期地震動
階級3を観測

津波
・津波警報発表
・岩手県久慈港で0.8mなど観測

備考
北海道・三陸沖後発地震注意情報を発表

震源が約19kmとやや浅い場所で発生した「逆断層型」の海溝型地震で、プレート境界で発生した地震です。青森県で最大震度5強を観測したほか、宮城県北部や秋田県内陸南部で長周期地震動階級3が観測されました。また、M7.7という規模であったことから、気象庁は「北海道・三陸沖後発地震注意情報」を発表し、後発の巨大地震に対して注意を呼びかけました。

【2026年4月27日】十勝地方南部の地震

マグニチュード(M)
6.2

震源の深さ
約83km

地震のタイプ
プレート内部の地震

最大震度
5強

長周期地震動
階級1を観測

津波
なし

備考
北海道・三陸沖後発地震注意情報の対象外

震源が約83kmとやや深い場所で発生した太平洋プレート内部の地震です。北海道・三陸沖後発地震注意情報を発表中の地震でしたが、同注意情報の対象となるのは「想定震源域内で発生したマグニチュード7.0以上の地震」と定められています。震源やマグニチュードが注意対象ではなく、新たに情報を発表する基準には該当していません。

【2026年5月20日】沖縄本島海域の地震

マグニチュード(M)
5.9

震源の深さ
約50km

地震のタイプ
海域の地震

最大震度
5強

長周期地震動
階級1以上の地域なし

津波
なし

備考
揺れの大きかった鹿児島県の市町村について、土砂災害警戒情報の発表基準を引き下げて運用

震源が約50kmとやや深い場所で発生した逆断層の地震です。この地震により、鹿児島県の与論町で最大震度5強の激しい揺れを観測したほか、鹿児島県や沖縄県の広い範囲で震度1〜5弱の揺れを観測しました。

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南海トラフやほかの地震につながる可能性

立て続けに規模の大きな地震が発生していることもあり、「南海トラフ地震や他の巨大地震の前触れなのでは?」と心配される方もいるかもしれません。しかし、最近の地震を1つずつ見ると、それぞれ震源地や地震の発生メカニズムが異なるものであることがわかります。また、これらの震源域は南海トラフの想定震源域とは大きく離れています。こうした背景から、これら一連の地震が直接的に南海トラフや他の巨大地震につながるとはいえません。

一方で、多種多様なタイプの地震が短期間に日本各地で相次いでいるという事実もあり、日本列島周辺の広域において、地震活動が活発な状態にあることを示唆しています。特定の巨大地震に結びつける根拠はないものの、全国的に揺れやすい状態が続いているため、今後も引き続き高い意識を持って警戒を続けることが大切です。

近年は地震に加えて津波の発生回数も多い

地震による強い揺れへの備えはもちろんですが、地震に伴う津波にも注意しなければなりません。以下の表に2010年~2026年において、津波を観測した回数と津波を起こした地震をまとめました。

津波の観測年(回数)
地震の発生場所(大きさ)

2010年(3回)
沖縄近海(M7.2)/チリ中部沿岸(Mw8.8)/父島近海(M7.8)

2011年(3回)
東日本大震災(M9.0)/三陸沖(M7.3・7.3)

2012年(1回)
三陸沖(M6.9)

2013年(2回)
三宅島近海(M6.2)/福島県沖(M7.1)

2014年(3回)
チリ北部(Mw8.1)/アリューシャン(Mw7.9)/福島県沖(M7.0)

2015年(4回)
三陸沖(M6.9)/鳥島近海(M5.9)/チリ中部沿岸(Mw8.3)/薩摩半島西方沖(M7.1)

2016年(1回)
福島県沖(M7.4)

2017年(0回)

2018年(0回)

2019年(1回)
山形県沖(M6.7)

2020年(0回)

2021年(2回)
福島県沖(M7.3)/ケルマデック諸島(Mw8.1)

2022年(1回)
福島県沖(M7.4)

2023年(3回)
能登半島沖(M6.5)/鳥島近海(M6.5)/フィリピン諸島、ミンダナオ(Mw7.5)

2024年(4回)
能登半島(M7.6)/台湾付近(M7.7)/日向灘(M7.1)/鳥島近海(M5.8)

2025年(4回)
日向灘(M6.6)/カムチャツカ(Mw8.8)/三陸沖(M6.9)/青森県東方沖(M7.5)

2026年(1回)
三陸沖(M7.7)

参考:地震本部「主な地震活動」
※M:気象庁マグニチュード、Mw:モーメントマグニチュード
(巨大地震の大きさを求める時などに使われます)

東日本大震災が発生した2011年から2015年頃までは、巨大地震や海外からの津波により、年1〜4回という頻度で津波が観測されていました。2016年から2022年頃までは、津波を伴う地震が年0〜2回にまで減少していましたが、2023年頃からは年3~4回という頻度で津波が観測されています。

近年の大きな特徴は、津波をもたらす地震の発生範囲が広いことです。能登半島から青森県東方沖や三陸沖、さらには南方の鳥島近海や日向灘に至るまで、規模の大きな海溝型地震が各地で発生しています。

今、備えるべきこと

日本列島周辺で地震活動が活発化している今、「いつ地震や津波が来てもおかしくない」という前提で備えを再点検することが大切です。まずは、家の中の安全を確保しましょう。長周期地震動への対策を含め、家具の転倒防止器具が緩んでいないか、寝室に避難を妨げるものがないかを改めて確認してください。

あわせて、非常用持ち出し袋の中身や、家族との安否確認手段の共有も欠かせません。津波浸水想定区域にお住まいの方や、海辺へお出かけになる方は、改めて避難場所と避難経路を確認しておきましょう。

また、最近は地震のニュースを見聞きする機会も多いですが、そのたびに他人事と捉えるのではなく、「自分の住む町で同じことが起きたら?」と想像を広げることも大切です。日頃からの意識と備えの積み重ねが、いざという時に自分や大切な人の命を守ることにつながります。

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<執筆者プロフィル>
田頭孝志
気象防災アドバイザー(国土交通大臣委嘱)

田頭気象予報士事務所代表。愛媛の気象予報士・防災士。防災や気象関連の記事執筆をはじめ、テレビ番組の監修、防災教材開発などを行う。BS釣り番組でお天気コーナーを担当したほか、自治体、教育機関、企業向けに講演を多数、防災マニュアルの作成に参画。

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