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阪神西宮駅から徒歩約3分の『hunters kitchen 麓』(西宮市)では、西宮北部の山麓で捕らえた鹿や猪を臭みの少ない新鮮なジビエ料理として提供。ワインとの王道ペアリングだけでなく、“酒どころ・西宮”ならではのペアリングも楽しめる、まさに「西宮ジビエ」と呼びたくなる一軒を取材しました。

鹿の剥製や、狩猟する鉄砲の形のワイン(右端) 鹿の剥製や、狩猟する鉄砲の形のワイン(右端)

鹿角を使ったドアハンドルを開けて店内に入ると、鹿の剥製や鹿をモチーフにした小物など、ジビエの世界観を感じる装飾が目に入ります。さらに、狩猟用の銃をかたどったワインボトルも飾られており、これからいただく料理への期待が高まります。

同店の大きな特徴は、店舗に「ジビエの処理場」を併設していること。獲れた鹿や猪を迅速に一次処理することで、ジビエ特有の臭みを抑えています。取材では施設の一部を見学させてもらいましたが、食材が料理になるまでには厳しい管理や多くの工程があることを実感…。“命を丸ごといただくこと”、その重みを改めて感じました。

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かぶらのソースの上に鹿肉をのせ、アプリコットとポルト酒のソース、さらにマルドンソルトを合わせて食べます。右奥は料理長こだわりのオリジナルブレンド日本酒「ジビエフレンチコース」11,000円 ※要予約(その日の食材で料理内容は変わります) かぶらのソースの上に鹿肉をのせ、アプリコットとポルト酒のソース、さらにマルドンソルトを合わせて食べます。右奥は料理長こだわりのオリジナルブレンド日本酒「ジビエフレンチコース」11,000円 ※要予約(その日の食材で料理内容は変わります)

赤身が美しい鹿肉は、低温調理でしっとりとした仕上がりに。臭みはなく、ほんのりとした野性味と濃厚な甘みのあるソースとマイルドな塩味が重なり、鹿肉の繊細な旨みを引き立てていました。

ペアリングとしては、鹿肉には赤ワインはもちろんのことですが、西宮という土地柄、日本酒にも注目してほしい。料理長がさまざまな酒蔵のお酒を飲み比べ、4種類の日本酒をアッサンブラージュの技法を用いてジビエ料理に合う日本酒「麓」を作りあげています。

記者の私も初めて鹿肉を食べましたが、すっかり魅了されてしまいました。

猪肉を天然木の器で、赤ワインと一緒に 猪肉を天然木の器で、赤ワインと一緒に

楠の天然木のお皿に盛り付けられているのは、ローストした猪肉。噛むほどに旨みが広がり、柑橘のほろ苦いソースと生のブラックペッパーが、猪肉の力強さを上品に引き立てます。

野生の恵みをいただいているだけあり、体内からも力が湧いてくるような感覚になりますが、高タンパク、低脂質というだけあり、後味は驚くほど軽やかです。

個人的には「お肉を食べるなら、ジビエを選びたい」と思えるほど印象が変わる一皿でした。

料理長の渡島さん 料理長の渡島さん

西宮市出身の料理長は、多方面で飲食経験を積む中で、食材の背景やストーリーを大事にしており、いつかジビエを扱いたいと考えていたそうです。そんな中、現役猟師であるオーナーとの出会いをきっかけに、この店が誕生しました。

ジビエが苦手な人がひと口食べて「こんなに美味しいなんて知らなかった」と驚く瞬間を見ることが、何よりうれしいと話します。

 鮮度抜群のジビエフレンチと出会える 西宮の『hunters kitchen 麓』 [画像]

猪肉の木の器もですが、店内のカウンターやテーブルには、楠の一枚板が使われています。楠は西宮市のシンボルとなる樹木で、店づくりにも西宮への思いが込められています。

日本酒「麓」写真提供/hunters kitchen 麓 日本酒「麓」写真提供/hunters kitchen 麓

このお店で味わえるジビエは、西宮北部の山麓で獲れた鹿や猪。地元で獲れた命をフレンチとして丁寧に届けることで、ジビエの新しい価値を伝えたいという思いがあります。また、料理長がブレンドした日本酒「麓」とのペアリングや、楠を用いたカトラリーに至るまで、この店ならではの“西宮で味わうジビエ”の価値を高めています。

さらに、人が「命をいただくこと、また、いただけること」の意味を理解するため、猟師という仕事を次の世代にもつなげていきたいというオーナーの願いも伝わってきます。

西宮市は海も山もありますが、都会の生活に慣れ、その恵まれた自然に目を向ける時間が少なくなりつつあります。『hunters kitchen 麓』のジビエ料理は、その野生的な味わいだけでなく、西宮でしか味わえない地場の自然の恵みに対する恩恵が感じられるところも魅力です。

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