2026年4月27日~29日、東京都が主催するテックカンファレンス「SusHi Tech Tokyo 2026」が東京ビッグサイトで開かれた。「持続可能(Sustainable)な都市を高い技術力(High Technology)で実現する」という理念の実現に向けたイベントという位置づけであり、イノベーションの担い手となるスタートアップ企業と有力なスタートアップに投資を行いたい企業をつなぐイベント、と言ってよいだろう。
組織内の知見と人を探すサービスに熱視線
SusHi Tech Tokyoは、スタートアップやベンチャーキャピタルをつなぐイベントではあるが、名だたる大企業の出展も見られた。ソニーブースでは、ソニーネットワークコミュニケーションズがB2B向けのサービスをいくつか紹介していた。
AIの活用は、データサイエンティストがPythonなどの言語とデータを駆使して価値あるデータを抽出していたイメージがあるが、これを「一般の担当者が当たり前のように使える」を目指して開発したのがPrediction Oneで、外部販売を開始したのは2019年とかなり古い。
機械学習をかなり簡単に扱えるようにしているうえUIも分かりやすく、データソースとしてCSVも入れられる。クラウド版だけでなく、外部にデータを出したくない機密性を要求するユーザーにデスクトップ版を提供しているほか、クラウド版は他のツールと連携可能なAPIも提供している。
精度や寄与しているデータ項目も表示されるだけでなく、説明用のプレゼンテーション画面も作成できるので、説得力のある資料作成にも活用できそうだ。
Prediction Oneを活用したソリューションの一環として、ファンマーケティング支援サービスを半年ほど前から提供を開始。顧客理解を深めたうえでマーケティング戦略を立案して、ファンサービスを盛り上げる。
スポーツチームや強力なキャラクターを持つIPホルダー、熱狂的な製品ファンを形成したいメーカー、アパレル領域がおもなターゲットになるという。
ここでは、PDCAサイクルの分析基盤としてPrediction Oneを使用しているという。
説明を受けた2つ目が「Shpica」。こちらは、組織内の知見と人を探すというもので、社内のナレッジ活用を行うツールだ。
社内の資料やマニュアルをShpicaに入れることでナレッジを集約し、ヘルプデスクのような機能が簡単に構築できるという。現在は人力でデータのアップロードを行うが、近い将来SharePointからの自動移行にも対応する。
さらに進めると、資料を作成した人にもタグ付けがされ、「〇〇に関するプロジェクトチームを作りたいが、〇〇に精通している人は社内に誰がいるのか」ということにも発展できるという。
従来のイメージだと「社内で〇〇に詳しい人」は喫煙室の雑談で見つける傾向があったが、社内的に秘密のプロジェクトをこのような形で聞くのは問題があるだろうし、カンパニー制度で交流が少ない企業の場合は難しそうだ。
会期の最終日はパブリックデイとして入場無料となり、商談スペースが子ども向けのハンズオン会場になるなど、家族向けを強く意識していた。来場した家族連れに伺ってみると「娘が通っている小学校に案内が来ていた」と返答された。
商談に結び付かないため、小規模なスペースは3日目は撤収しているところも見られた一方、セミナーや商談スペースをハンズオン会場に転換したりパブリックディのみスペースを使うというアイディアは素晴らしく、このような取り組みは他のテクノロジー系展示会でも検討してほしいと感じた。
国際色あふれる展示ブース、ピッチコンテストも実施
スタートアップと言っても規模はさまざまで、生まれたばかりのシードスタートアップだけでなく、世界に羽ばたく寸前の成長したところ、東京だけでなく地方のスタートアップや「松尾研発スタートアップ」に代表されるような大学発のところと、非常に幅広く出展していた。
日本にとどまらず海外ブースも非常に多く、アジア最大のイノベーションカンファレンスと豪語しているのもうなずける。
この業界において、スタートアップが投資家に対して、資金調達などの目的で自社の製品やサービスを提案するために行われる短時間プレゼンテーション「Pitch」を行うのは当然で、ピッチコンテストが行われていた。逆に、企業が「このようなアイディアや技術を持っている人はいないか?」とスタートアップを募る「Reverse Pitch」も行われていた。会場の脇には商談スペースが用意されており、興味があれば即商談に持ち込めるというのも面白い。
