かつて、つるぎ町半田で作られていた漆塗りの器「半田漆器」を紹介する企画展が、徳島市で開かれています。

「半田漆器」は、ケヤキなどの木の生地に漆を塗り重ねた漆器で、かつて、つるぎ町半田地区で作られていました。

庶民向けのお碗などを中心に生産され、県外にも出荷されていましたが後継者がなく、現在は「幻の漆器」となりました。

徳島市の県立博物館で開かれている企画展では、さまざまな形の「半田漆器」や、「半田漆器」に関する資料など約150点が展示されています。

(県立博物館・大橋俊雄 学芸員)
「もともと作られていた半田でも、漆器を生産していたことがだんだんと忘れられているような状況」
「あえて『まぼろしの漆器』というタイトルをつけて、みなさんに見てもらおうと」

また、会場には生前「半田漆器」の創作に携わり、「最後の塗師」と呼ばれた故・竹内久雄さんの作品も展示されています。

職人の家の5代目として生まれた竹内さんは、自らも創作を続ける傍ら、「半田漆器」を後世に残そうと後進の育成を志すも叶いませんでした。

竹内さんが亡くなり、江戸時代から続いた「半田漆器」はその歴史に幕を閉じたのです。

そんな竹内さんの作品のひとつ、「錦塗鉢」は漆の中に貝殻や金粉などをちりばめた、きらびやかな逸品です。

(記者)
「こちらのコーナーでは、半田漆器ではないのですが、普段触れることのない漆器に直接触ることができます」
「漆器自体はとても軽くて使いやすそうです。蓋に描かれているデザインに触れてみますと、描かれている松の枝が浮き出ています」

(記者)
「漆器見てみてどう?」

(見に来た人・ロシア出身)
「非常に綺麗です、感動しました。もう作られていないなんて、とても残念です」

かつて隆盛を誇り、県外にまでその名を知られた半田漆器、みなさんも一度、職人たちが生み出した輝きに触れてみてはいかがでしょうか。

この企画展は、5月24日まで徳島市の県立博物館で開かれています。

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