NZオークランド、慰安婦象徴の像の設置不許可=一旦は設置了承も、認めない決定を下した理由とは
ニュージーランドの最大都市オークランド市の市有地に、韓国系団体が設置を求めていた旧日本軍の慰安婦問題を象徴する少女像について、市の地区委員会は今月28日、設置を認めない決定を下した。委員会は韓国系と日系のコミュニティーに摩擦を引き起こす恐れなどを考慮し、不許可としたという。少女像をめぐっては、韓国内のみならず、韓国系の団体が各国で設置を進めている。像には「日本軍は少女や女性を強制連行し、性奴隷にした」などと史実に基づかない内容の碑文が付くケースが多く、日本政府は撤去を求めている。今回、オークランド市の市有地に設置が認められなかった像をめぐっても、大沢誠駐ニュージーランド大使が「日本とニュージーランドの外交関係に重大な影響を及ぼしかねない」として、設置に反対する立場を表明していた。
設置が計画されていたのは高さ1.2メートルの座像。「日本が1932年から45年にかけて、朝鮮半島、中国、東南アジアから最大20万人の女性を強制的に性奴隷した」という趣旨の事実無根の銘板も付く予定だった。韓国系団体「コリアン・ガーデン・トラスト」が、オークランド市郊外タカプナのバリーズ・ポイント保護区内にある韓国人文化庭園への設置承認を求めていた。市の地区委員会は昨年半ばごろ、一旦は設置を承認した。しかし、その後、一部から設置に懸念の声が上がり、委員会は昨年9月に許可を保留した。今年1月、意見公募が行われ、住民らから寄せられた600件超の意見のうち、6割近くが設置に反対する内容だったという。
韓国紙のハンギョレが英紙ガーディアンの報道として伝えたところによると、大沢駐ニュージーランド大使はオークランド市議会に提出した書簡で、「この問題に不要な関心を集めることは、日本と韓国の協力だけでなく、日本とニュージーランドの関係にも負担となりかねない」とし、「2015年にニュージーランド政府が韓国文化庭園づくりに必要な水道・電気代を支援しており、もし『平和の少女像』がここに建てられれば、ニュージーランドが政府レベルで『平和の少女像』の設置を支持しているという印象を与えかねない」と指摘したという。また、駐ニュージーランド日本大使館も「この運動は一部の韓国人の主導で行われた『反日運動』の一貫であると捉えており、日本人と韓国人の和解の代わりに、他国の地域社会に分裂と対立をもたらした」と主張したという。
慰安婦問題を象徴する像をめぐっては、元慰安婦らを支援する韓国の市民団体「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」(正義連)が2011年12月にソウルの日本大使館前に設置して以降、各地に広がった。韓国内に設置の少女像は150を超えることが分かっている。韓国内のみならず、これまで米国やドイツ、イタリアなど国外にも現地の韓国系の市民団体が設置を進めてきた。韓国外で初めて設置されたのは13年7月の米西部カリフォルニア州グレンデール市。産経新聞の報道によると、設置の動きは2010年代に米国で活発化し、20年代にはドイツなど欧州に移行しつつあるという。しかし、慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的解決」を確認した2015年の日韓合意では、国際社会での非難や批判は控えると約束しており、慰安婦問題を象徴する像の第三国での設置はこうした立場と相いれないものだ。
日本政府はこうした動きに遺憾を表明し、撤去を求めている。ドイツ・ベルリン市の公道に、韓国系の市民団体「コリア協議会」が2020年9月に設置した少女像は、昨年10月に同市ミッテ区によってようやく強制撤去された。この像をめぐっては、2020年10月、ミッテ区がこの像の撤去命令を出したところ、協議会側が反発。その後、区は結局、撤去命令を撤回し、期限を設けて期間中の設置を容認した。一方、日本政府はドイツに対し、像の撤去を繰り返し要請。2022年4月に行われた日独首脳会談では、岸田文雄首相がドイツのショルツ首相(いずれも当時)に撤去に向けた協力を依頼するも、協議会が存続を求めて裁判所に仮処分を申請するなどして事態が長期化した。しかし、区は「日韓間の対立をテーマにした少女像はドイツと直接の関係がなく、ドイツ及びベルリン市の特別な外交的利害関係の妨げになる」として、裁判所での命令確定を受け、強制撤去に踏み切った。
今回、オークランドで像の設置が認められなかったことに、韓国紙のハンギョレは「日本政府がニュージーランド側に外交的圧力をかけた影響とみられる」と指摘。その上で「女性たちを記憶しようとする記念碑の設置に向けた取り組みを、日本政府が沈黙させようとしている」と批判する設置推進団体の声を伝えた。
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