福島県議会において、避難所のトイレ環境についての質疑が行われました。
質問をしていたのは自民党の金澤拓哉議員。東白川郡(棚倉町・矢祭町・塙町・鮫川村)の選出です。

結論から申し上げますと、福島県の答弁は方向性としては理解できるものの、本質的に重要な視点が欠けていると言わざるを得ません。
それは、「現場で本当に使えるのか」という視点です。
■ 県の答弁は“整備中心”にとどまっています
県は以下のような対応を示しました。
簡易トイレの備蓄
民間との協定による調達体制
トイレトレーラーの配備
コンテナ型トイレの導入
一見すると、対策は進んでいるように見えます。
しかし、これらはすべて「設備を揃える話」にとどまっています。
■ トイレは「置けば使える」ものではありません
実際の災害現場では、次のような問題が起きます。
清掃する人が決まっていない
汚れて誰も使わなくなる
女性や高齢者が使えない
夜間は怖くて行けない
つまり、 トイレがあっても機能しないという事態が現実に起きています。
■ 本当に必要なのは「運用設計」です
今回の答弁で欠けていたのは、
誰が管理するのか
どのように清掃・補充するのか
要配慮者にどう対応するのか
といった運用の視点です。
設備だけでは、人は守れません。むしろ、運用こそが災害対策の核心です。
■ 「尊厳」の視点が不足しています
トイレは単なる設備ではありません。
我慢すれば体調を崩します
不衛生なら感染症が広がります
プライバシーがなければ精神的に追い詰められます
これはすべて、命に関わる問題です。
それにもかかわらず、「何基用意するか」という議論に終始しています。
この点には強い危機感を持たざるを得ません。
■ 郡山市の対応はさらに消極的です
この問題は県だけではありません。
郡山市においても同様、あるいはそれ以上に深刻です。
実際に郡山市議会では、移動式トイレの導入について議論されていましたが、
👉 現時点で「導入予定なし」とされています。 (選挙ドットコム)

郡山市は、
ダンボールトイレなどの備蓄
協定による仮設トイレ確保
を主軸とし、移動式トイレについては
維持管理が難しい
運用課題がある
として慎重姿勢を崩していません。
■ しかし、それは本当に現実的でしょうか
東日本大震災の際、
物資は届かない
燃料も不足する
という事態が発生しました。
「協定があるから大丈夫」という前提は、災害時には簡単に崩れます。
また近年の災害では、移動式トイレが現場で実際に機能し、
高齢者や女性にとって大きな支えとなった事例も報告されています。 (選挙ドットコム)
それにもかかわらず、「検討中」あるいは「導入しない」
という姿勢は、
現実から目を背けていると言われても仕方ありません。
■ 問題は「やっている感」です
福島県にも郡山市にも共通しているのは、「必要なことはやっている」という認識です。
しかし重要なのは、
現場で機能するかどうか
です。
■ 今求められているのは「トイレ戦略」です
単なる整備ではなく、
管理責任者の配置
運用マニュアルの整備
要配慮者対応の義務化
平時からの訓練・活用
こうした戦略的な設計が必要です。
■ 使えるかどうか
福島県も郡山市も、
設備は整えようとしています
体制も作ろうとしています
しかし、
「使えるかどうか」という本質から目を背けています
災害時に問われるのは、
人間の尊厳を守れるかどうか
です。
トイレはその象徴です。
「整備した」ではなく、 「機能する」へ
発想を転換しなければ、
同じ問題は必ず繰り返されます。

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