妻として、母として、ひとりの女性として社会生活を営み、穏やかに微笑んでいる彼女たちの本当の苛立ち、あふれんばかりの悩みとは? 専門家の解説を元に、リアルな事象に切り込んでいく。それが『女たちの事件簿』

東京ではすでに桜は満開を迎えており、小学校入学式の頃にはすでに葉桜になっているのかもしれません。ともあれ、入学式は晴れの日。親にとっても子どもにとっても記念となる1日です。

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文部科学省が発表した令和7年度の学校基本統計によると、全国の小学校在学者数は前年より12万9千人減少し、過去最大の減少幅を更新しています。少子化が加速するなか、一人の子どもにかける親の思いが年々強くなっています。

その一方で、近年広まっているのが「叱らない育児」です。本来は子どもの自主性や個性を尊重するという考え方ですが、単に「しつけをしないこと」と勘違いしている親がいると、危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏は指摘します。

「子どもの自主性を重んじること自体は大切なことです。しかし、社会のルールやマナーを伝えることもまた、親の重要な役割です。子どものしたいことをすべて肯定することは叱らない育児ではありません」

今村紀子さん(仮名・40歳)は、この春から小学2年生になる娘を育てるワーキングマザーです。手厚かった保育園とは勝手が違う小学校生活に慣れるまでの1年間は、本当に大変だったといいます。そんな紀子さんが昨年の入学式を今でも鮮明に覚えているのには、わけがあります。

「何より驚いたのは入学式当日です。初っ端から、いわゆるプリンセスドレスで参列している子がいたんです」

エルサを思わせるブルーのドレスをまとい、頭にはキラキラと輝くティアラ。入学式への参列にふさわしい服装で、と事前に案内があったはずなのに……と周囲の保護者がざわつくなか、先生が「ティアラは危険ですので外してください」と声をかけました。すると、その子は烈火のごとく泣き声を上げたといいます。

ーヤダヤダヤダー!!!

すると、隣に立つ母親が先生に向かってこう言い放ったのだそうです。

ーうちの子は自主性を大事に子育てしてるんです。本人が嫌がることはしないことにしていて。ですからティアラは外せません。彼女の個性を否定するんですか。

先生が重ねて説得を試みても、母親は聞く耳を持たなかったといいます。

「正直、個性とかそういうことじゃないんだけど……と見ていて思いました。入学式が始まる前から、何とも言えない空気が漂ったのは言うまでもありません。しかし、入学後もそのAちゃんは様々なトラブルを起こすことに。ダメなことはやっぱりダメだと言わなきゃならない、と強く感じる1年でした」

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※本記事で使用している写真はイメージです。 【取材協力】危機管理コンサルタント|平塚俊樹氏 【聞き手・文・編集】山本康裕 PHOTO:Getty Images 【出典】文部科学省|令和7年度学校基本統計