
写真は3月28日、ベネズエラのプエルト・カベーロ沖に停泊するロシア産燃料を積んだ香港のタンカー。REUTERS/Juan Carlos Hernandez
[大統領専用機 29日 ロイター] – 原油を積んだロシアのタンカーが29日にキューバ領海に入り、30日に港に到着する見通しとなった。トランプ米大統領はどの国がキューバに原油を送っても「問題はない」と述べ、同国への石油輸送に関して柔軟性を示唆した。
船舶追跡データは、米制裁対象のロシア船籍タンカー「アナトリー・コロドキン」が29日、キューバ東端沖に位置していることを示している。キューバの公式ニュースサイト「キューバディベート」によると、同船は30日にマタンサス港に到着する予定。
米国は1月にベネズエラのマドゥロ大統領を拘束後、同国からキューバへの原油輸出を停止し、キューバに原油を供給する国に関税を課すと警告。ベネズエラと同様にキューバの主要な原油調達先だったメキシコも出荷を停止した。
キューバのディアスカネル大統領によると、同国は石油輸入が3カ月間途絶え、厳格なガソリン配給制や度重なる停電につながっている。
トランプ氏は大統領専用機内で記者団に対し、エネルギー供給を必要とするキューバ国民の状況に理解を示し、同国政府はいずれ自ら崩壊する見通しのため、政権が支援を得ても懸念はしないと言及。「キューバに石油を送りたい国があれば、それがロシアであろうとなかろうと、私には何の問題もない」と述べた。
また「キューバはもう終わりだ。政権はひどい。指導者層は非常に腐敗していて、石油を積んだ船が来ようと来まいと重要ではない」とし、「ロシアだろうが他の誰だろうが、(石油輸送を)認める方がいい。国民は暖房や冷房などを必要としている」と語った。
米国は今月、イランへの軍事攻撃によって混乱が生じた石油の流通を改善するため、ロシアに対する制裁を一時的に緩和したが、キューバやイラン、北朝鮮、クリミアなどとの取引を明確に禁止する例外規定も含まれていた。
LSEGの船舶追跡データによると、アナトリー・コロドキンは約65万バレルの原油を積んでロシアのプリモルスク港を出港した。他の報道では73万バレルとされている。
これに先立ち、米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は米当局者の話として、石油を積んだロシアのタンカーがキューバに入港することを米政府が許可すると報じた。許可の理由は不明だとしていた。ただ、タンカーを武力で阻止すれば、地政学的に不安定な時期にロシアとの紛争リスクが高まる恐れがあった。
キューバディベートは、制裁対象船舶がロシア海軍の護衛で英仏海峡を通過し、カリブ海に向かったことを受け、ロシアの貨物輸送は米国の石油禁輸措置に対する直接的な挑戦だと指摘した。
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