
イタリア11季目を迎えた日本代表の主将は、開幕前に掲げた目標を逃すとケガや起用法に悩む日々を送る。それでも前を向けるのは、なぜなのか――。(原題:[30歳の真価]石川祐希「2つの人格を携えて」)
2026年2月7日、その日の石川祐希はいつもの様子とは違っていた。
冬季五輪で沸き立つミラノから約200km離れたボローニャで開催された、コッパイタリア準決勝。負ければ終わりのトーナメント形式で行われる国内カップ戦で、石川が所属するペルージャはヴェローナにストレート負けを喫した。
相手の勢いに押され続ける展開の中でのタイムアウト。いつもなら、輪の中心にいて、渡欧11年目の成果とも言うべき流暢なイタリア語で周囲とコミュニケーションを取る石川だが、あえて輪から少し離れたところに立っていた。指揮官の発する言葉に耳を傾けることもせず、淡々とただその場にいるのみだった。
敗戦の瞬間も、石川は冷静に現実を受け入れていた。
「エネルギーがなかったわけではないけれど、いつものスタイルで戦ってもうまくいかず、何か変えてもよかったけれど変わらなかった。そのまま終わりまで行ってしまった、というのが外から見た印象でした」
今季の目標は世界クラブ選手権、コッパイタリア、スーパーコッパ、チャンピオンズリーグに加え“スクデット”と称されるセリエAの優勝を含めた5冠の達成だった。その目標は、昨年末にブラジルで開催された世界クラブ選手権を制して臨んだ2冠目にして早くも儚く潰えることになった。しかも石川は、出場すら叶わずに。
昨季はリーグ戦21試合出場も、今季は14試合に留まる(3月19日時点) Takahisa Hirano
ペルージャではもちろん、イタリア国内でも数々の戦績を誇る石川は、なぜビッグタイトルがかかった試合で欠場したのか。理由は二つある。
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