老若男女問わず愛されるイタリア発祥の料理、ピザ。近年はその印象を変える話題の店や職人が多く登場しています。こだわりの生地に、厳選した旬の素材を合わせて窯で焼き上げた一枚は格別の味。
進化するピザシーンを楽しむために押さえたい3つのトレンドのなかから、“コース仕立て”で味わう人気店をご紹介します。
マンダリン オリエンタル 東京 ピッツァバー on 38th(オン サーティエイス)[東京・日本橋]日本の料理と素材から着想を得た、独創的なピザのオンパレード
ホテルの38階にあるダイニングの端に石造りのカウンターがあります。たった8席のカウンターは連日満席。調理工程を間近で見る経験は海外ゲストには新鮮だといい、カウンターの中では、料理長のダニエレ・カーソンさんがこれまでの概念に縛られないピザを焼いています。
<写真>長野産の彩り豊かなじゃがいもに合わせたのはタラバガニ。レモンとあおさ海苔がアクセントになっている。高加水の生地は、外はカリッとしていて中はもちもち。完成したピザは8等分され、ゲスト8人で一枚のピザをいただくというスタイル。
「順番にピザを味わってもらうコース仕立てのこの方法を、我々は“おまかせ”と呼んでいます。もちろん日本料理のコースを指す、おまかせから着想を得たものです」。
おまかせというスタイルは日本独特のもの。来日13年、さまざまな日本料理を愛するダニエレさんが、「めいっぱい多様な味を楽しんでほしい」と、イタリアンやピッツェリアにはなかった手法をピザに取り入れ、いまの形が完成しました。
<写真>イタリア・ローマ出身のダニエレ・カーソンさん。
<写真>おまかせは、前菜のあとにピザが6~8種続き、最後にデザートをいただくという構成。熟成した本まぐろのタルタルの下は蕪のソース。ピザの前にふさわしい軽やかな味わい。
<写真>ミルクと胡麻のジェラートに飾ったのは、店を訪れたアーティストが描いたという遊び心のあるモナ・リザをモチーフにしたチョコレート。
「懐石も割烹も寿司も大好き!」というダニエレさんは、日ごろから親しむ日本の料理からヒントを得て、それらを一枚のピザに凝縮。ほかのどこにもない唯一無二の味わいが生まれます。
ダニエレさんが焼くピザに欠かせないのは、日本各地から厳選した新鮮な食材。産地にも足繁く通い、日々新たな素材の探究に余念がありません。しかし生地に使うのはイタリア産の原料。数種をブレンドするという小麦はもちろんのこと、水もイタリア産のものにこだわっています。
<写真>リコッタチーズや沖縄産のふだん草をたっぷりのせて焼き、仕上げにプロシュートハム、卵黄のソース、ピスタチオを散らした。
