最初にヒットした銀ピカの54センチ。筆者の技術ではルアーやフライでは釣れなかったでしょう
Photo By スポニチ

 【奥山文弥の釣遊録】山梨県の本栖湖に行ってきました。漁協がニジマスを放流していて、そのサイズは30センチ以下。ですが、回遊して成長すると、体が銀色になり、ブルーバック、グリーンバックと呼ばれるほど奇麗な魚になります。

 筆者はルアーやフライでトラウト類を釣るのが好きです。しかし、この湖の魚を釣るのは筆者の技術では難しく、何年か前から餌釣りに切り替えました。

 スタートは午前7時半。タックルは磯釣りの上物仕掛けとほぼ同じ。餌はハリを刺してもつぶれにくい、マルキユーの粒イクラと、同社のアミノリキッドに漬けて軟らかくなりすぎないようにしたマグロの切り身。

 開始直後、漁協監視員の渡辺光彦さんが来たので遊漁証を買いました。現場売りは1000円で、事前購入は800円。筆者は情報を得るため本栖湖では現場売りで購入しています。情報を一通り聞き、最近当たりが多いという水深5メートル前後を狙うことにしました。

 当たりがないまま3時間が過ぎ、場所移動しようかと考えましたが、以前長男が60センチを釣ったのは11時過ぎだったと思い出しました。粘りが肝要だと自らに言い聞かせた、まさに11時過ぎ、そこにあったはずのウキが視界から消えてラインが左へ走りました。ヒットです。

 ドラグを鳴らして深みへ潜っていき、浮き上がったかと思うとジャンプ。銀色の魚体が見えました。ラバーネットですくいキャッチ成功。54センチの見事な魚でした。待ったかいがありました。

 ランチ後、水面近くでギラッと光ったのが見えたので、ウキ下をハリスの長さ分の1メートルにして投入すると、すぐにヒット。銀ピカの48センチでした。

 ところで、本栖湖のニジマスは湖の透明度と回遊することによって、ヤマメがサクラマスになるように銀化し、降海型ニジマスのスチールヘッドのような魚体になります。

 銀化すると、体側の赤帯の下部の黒点がなくなりますから、よく分かります。個体によっては、30センチぐらいでも銀化ヤマメのように背ビレや尾ビレの先端が黒くなっています。

 その魚たちは全て養殖魚の放流由来。放流時に胸ビレなどがない魚はそのまま美しい魚体になるのですが、胸ビレがないという残念さもあります。それを差し引いても、この“湖産スチールヘッド”は野生化したものなので、価値ある魚たちだと思います。

 水面直下でのヒットの後、反応がなかったので、今度は思い切って水深10メートルを狙ってみました。するとすぐにヒット。これまた銀ピカな40センチ級でした。たまたま深いところを回遊していたのでしょうか。この日は連発しなかったので、群れで泳いでいたのではなさそうでした。

 ウキ下を5メートルに戻し待っていると、またもや40センチ級がヒット。時間は午後3時を回っていました。

 夕マズメまでやれば、さらに何匹か掛かるのではないかと、5時半までやりましたが、ヒットはありませんでした。

 本日の釣果は4匹。しかし、いずれもサイズが良く、“湖産スチールヘッド”の強烈な引きを堪能できて幸せでした。 (東京海洋大学元客員教授)

続きを表示