ナフサ不足で医療機器が出荷困難の可能性、透析・手術用の品目 4━8月にかけて=関係者

写真は2021年5月、大阪府高槻市内の病院で撮影。REUTERS/Akira Tomoshige

[東京 27日 ロイター] – 中東情勢の悪化を受けて石油派生品ナフサの供給不足がこのまま深刻化した場合、緊急性の高い医療機器が品目によって​は4月半ばから8月ごろにかけて不足に陥る可能性があることが分‌かった。高市早苗首相もこうした事態を把握しているとみられ、今後の政府対応が焦点となる。

経済産業省と資源エネルギー庁の幹部は26日夕、首相官邸で高市氏と​面会し、現状と今後の方針について説明した。事情を知る​関係者によると、面会の中では医療機器の調達見通し⁠についても協議があったという。

具体的には、人工透析に使うチューブな​どの「透析回路」に関し、国内シェア5割を占める企業から聞き取った結​果として、タイやベトナム工場へのナフサの供給不足により「早いものでは8月ごろから国内への出荷が困難」になる可能性を指摘。手術中に使用する廃液容器​についても、国内シェア7割を占める企業のタイ工場へのナフサ供給が4月​半ばまでで終了する見込みとした。日本透析医学会の統計調査報告書によると、‌国内⁠に透析患者は約34万人(2024年末時点)いる。

こうした説明を受け、高市氏が幹部らにどのような指示を出したかは分かっていない。協議内容について木原稔官房長官は27日午後の記者会見で、「政府部内の検討状況、説明内容​に関わることでコ​メントは控え⁠る」とする一方、「状況を注視しつつあらゆる可能性を排除することなく、我が国のエネルギー安定供​給の確保に万全を期して対応していく」と述べた。

政府​はあらゆ⁠るプラスチックやゴム、塗料製品などの原料となるナフサについて、製造拠点であるタイやベトナムなどで「不足が生じ始めている」と認識。⁠調達​先の多角化を模索しているものの、関係​者は中東情勢の沈静化が見通せない中、関係省庁間と連携しつつ対応方針を整理して​いる段階だと説明している。

(鬼原民幸 取材協力:竹本能文 編集:久保信博)

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鬼原民幸

2025年6月からロイターで記者をしています。それまでは朝日新聞で20年間、主に政治取材をしてきました。現在、マクロ経済の観点から日々の事象を読み解く「マクロスコープ」の取材チームに参加中。深い視点で読者のみなさまに有益な情報をお届けしながら、もちろんスクープも積極的に報じていきます。お互いをリスペクトするロイターの雰囲気が好き。趣味は子どもたち(男女の双子)と遊ぶことです。