
チリ人、ニコラス・セペダ被告を描いた法廷画(2026年3月17日作成)。(c)ZZIIGG/AFP
【AFP=時事】2016年にフランス東部ブザンソンに留学していた筑波大生の黒崎愛海さん(当時21)が行方不明になった事件の差し戻し控訴審で、南東部リヨンの裁判所は26日、殺人罪に問われた元交際相手のチリ人、ニコラス・セペダ被告に終身刑を言い渡した。
裁判所は、セペダ被告が黒崎さんを計画的に殺害したことに「疑いの余地はない」と認定した。
2020年にチリから身柄を引き渡されて以来、一貫して無罪を主張してきたセペダ被告は、顔を両手で覆って判決を聞いていた。
弁護人は、判決を不服として最高裁に当たる破棄院に上告する意向を示した。
傍聴席の最前列には、黒崎さんの母親と妹たちが座っており、母親は手にした黒崎さんの写真にそっと触れていた。
エリック・シャルボス裁判長が読み上げた判決文によると、裁判所は、セペダ被告が2016年12月4日から5日にかけての夜、黒崎さんを「窒息」させて殺害したと認定した。「絞殺または窒息死の可能性が高い」という。
一審は2022年、拘禁28年の判決を言い渡し、控訴審は2023年に一審判決を支持した。だが破棄院は昨年、捜査当局が弁護団に証拠を開示しなかったとして、審理を差し戻した。差し戻し控訴審は今月17日に開始していた。
セペダ被告は2014年に筑波大に留学し、黒崎さんと知り合い交際を開始。しかし、黒崎さんは2016年夏、フランスに留学した。
検察側は、セペダ被告は黒崎さんが自分から離れ、他の学生と恋に落ちたことに耐えられなかったと主張した。
セペダ被告は黒崎さんをオンラインでストーキングし、脅迫動画を送った後、予告なくチリからフランスへ渡航した。
目撃者と防犯カメラの映像によると、セペダ被告は4日3晩にわたって黒崎さんをひそかに付け回した後、黒崎さんが行方不明になった夜にレストランで夕食を共にし、一緒に黒崎さんの寮の自室に戻った。
■可燃性液体とマッチ
黒崎さんは2016年12月4日に寮の防犯カメラに映ったのを最後に行方不明となっており、遺体は見つかっていない。
黒崎さんの部屋からは、現金565ユーロ(現在のレートで約10万4000円)が入った財布、キャッシュカード、携帯電話、定期券、冬用コート、靴が見つかっている。
携帯電話とレンタカーの位置情報データから、セペダ被告がこの夜に24時間以上黒崎さんの部屋に滞在していたことが証明されたのを受け、被告は法廷でこの事実を認めた。
セペダ被告はこの数日前に可燃性液体の入った燃料缶、マッチ、スプレータイプの台所用漂白剤を購入していた。
バンサン・オージェ検事は、たとえその後、遺体を近くのドゥー川に遺棄することにした可能性が高いとしても、これは計画性を示すものだと主張した。
5日後、セペダ被告は黒崎さんの名前でリヨン行きの列車の切符を購入した。
検察側は、セペダ被告が黒崎さんのメールアカウントやSNSアカウントを使って友人や親族を安心させるメッセージを送ったとも主張したが、被告はこれを否定した。
セペダ被告はスペインのバルセロナでしばらく過ごした後、同月中にチリに帰国した。
【翻訳編集】AFPBB News
