沖縄でのボート転覆事故について旅行大手4社はどう回答したのか。沖縄でのボート転覆事故について旅行大手4社はどう回答したのか。Shutterstock、公式Webサイト

沖縄県名護市辺野古の沖合で、アメリカ軍の基地建設に抗議する市民団体「ヘリ基地反対協議会」が運航するボート「不屈」「平和丸」2隻が転覆し、不屈の船長だった金井創牧師(日本基督教団)と、修学旅行中で平和丸に乗船していた生徒(同志社国際高校)が亡くなった事故から1週間余りが経過した。

3月24日には同校の担当代理店だった東武トップツアーズが声明を発表。「今回の船舶乗船プログラムは学校が直接選定・手配したものだった」としながらも「旅行全体の行程を管理する立場として、適切な助言や注意喚起を行うなど、旅程管理という大切な本来の役割において万全を期すことができなかったことを真摯に受け止めている」とする。

事故直後の3月18日、東武トップツアーズはBusiness Insider Japanの取材に「弊社が担当したのはホテルから港の送迎まで。そこから先は関与していない」と答えていた。東武トップツアーズへの取材では当初、乗船については「担当外」という説明をしていたが、24日の声明では「役割を果たせなかった」という表現へスタンスを変えたようにも読める。

同社の声明と今回の事故が問いかけるのは、修学旅行における学校と旅行代理店の関わり方だ。事故を他の旅行代理店はどう見ているのか。観光業界を担当する記者が各社に取材した。

沖縄ボート転覆・死亡事故、代理店は東武トップツアーズ。ただし、抗議船への乗船は「担当外」 | Business Insider Japan

沖縄ボート転覆・死亡事故、代理店は東武トップツアーズ。ただし、抗議船への乗船は「担当外」 | Business Insider Japan

学校独自プログラムを行程に組み込む慣行

今回の事故で浮かび上がったのは、修学旅行の行程に学校が独自に手配したプログラムが組み込まれる場合がある、という慣行だ。

事故後の会見で、同志社国際高校の西田喜久夫校長は、2023年から金井牧師からの提案をきっかけに、教員との個人的なつながりの延長で船上からの見学をするようになったと、明らかにしている。西田校長は報道陣からの質問に「金井牧師が反基地運動で有名な方と初めから知っていた」とも答えていた。

学校側の説明によれば、亡くなった船長は「反基地活動家として知っていた」という。学校側の説明によれば、亡くなった船長は「反基地活動家として知っていた」という。Reuters

Business Insider Japanは観光庁が公表する「主要旅行業者の旅行取扱状況年度総計」(2024年度)から取扱高上位5社(JTB・日本旅行・HIS・阪急交通社・KNT-CTホールディングス)に質問状を送付。「学校が独自に手配したプログラムが行程に組み込まれることがどの程度一般的なのか」「今回の事故をどう受け止め、今後どう対策するか」の2点を聞いた。

「海外修学旅行が中心で国内はほとんど扱っていない」としたHISを除く4社から回答を得た。JTBと日本旅行は「学校独自のプログラムを取り入れることはある」と明言。阪急交通社とKNT-CTホールディングスは「詳細の把握が困難なため一般論の回答は控える」「個別の契約に関わるため回答を控える」とそれぞれ回答を避けた。

※各社回答全文は記事末尾に掲載

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修学旅行関係者「今回の事故はかなり異例」