『行方不明展』で人々の心をザワつかせたホラー作家・梨とテレビ東京のプロデューサー大森時生、株式会社闇が再び集結する『恐怖心展』。2025年東京会場で約13万人を動員した話題の展覧会が、「グランフロント大阪」(大阪市北区)にて3月27日よりスタートする(記事内にネタバレあり)。
■『行方不明展』の制作チームが再集結
東京・名古屋・大阪・札幌、合わせて約18万人を動員した展覧会『行方不明展』。「フィクション」を謳いながらも、「行方不明」にまつわる生々しい貼り紙や映像が人々を惹きつけた同展のチームが再びタッグを組んだ『恐怖心展』では、人が持つ「恐怖心」にフォーカス。
さまざまな恐怖心にまつわる物品や写真、映像などを「存在」「社会」「空間」「概念」の4エリアに分けて展示する。
『恐怖心展大阪』インパクト大なメインビジュアル
■ じんわり効いてくる、あらゆる「恐怖心」を体験
顔を漆黒に塗り潰された男性という、メインビジュアルからしてゾッとさせられる同展だが、実は直接的な恐怖を感じる展示物は少ない。
「集合体に対する恐怖心」(恐怖心展大阪)
「先端に対する恐怖心」(恐怖心展大阪)
最初は「集合体」や「先端」など、多くの人が理解できるであろう「恐怖心」にまつわるアイテムが展示されているが、歩き進むうちに「こんなものも・・・」と意外に思うような展示物も増えていく。個人的には、「閉所」や「蜘蛛」は心からぞわぞわしたが、「取り残されること」や「病院」はあまりピンとこなかった。
「人形に対する恐怖心」(恐怖心展大阪)
そして同展の制作チームといえば、展示されるアイテム一つ一つへの徹底的な作り込みも特徴的だが、今回も尋常ならざるこだわりを感じられた。特に「着ぐるみ」と「廃棄」は、見た瞬間に「うわっ」と声が漏れてしまい、あるはずのない「臭気」すら感じられるほど。
「廃棄に対する恐怖心」(恐怖心展大阪)
映像作品に関しては『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』で知られる映画監督・近藤亮太氏が手掛けているだけあり、なんともリアリティのある嫌な手触りを感じられる。「これって本当にあった話?」と不安になった瞬間、メインビジュアルに記載された「展示物の一部はフィクションです」という但し書きがじんわりと効いてくるのだ。
「閉所に対する恐怖心」の映像展示(恐怖心展大阪)
■ 恐怖を感じるのは人それぞれ…大阪会場からの展示物も
また、今まで自覚していなかった事柄に恐怖心を抱いていたことにも気付かされていく。例えば一見すると平和そのものに思える「幸せ」「結婚」「笑い声」への恐怖心。しかしキャプションを読むうちに、これまで漠然と感じていた不安の理由が理解できるかもしれない。
「幸せに対する恐怖心」。とあるインフルエンサーの手記を展示している(恐怖心展大阪)
そして恐怖心を抱く対象が人それぞれなら、「怖っ!」と楽しくはしゃげる程度からその場から立ち去りたくなるほどの感情まで、恐怖心のレベルもさまざまだろう。
「結婚に対する恐怖心」の一部。新聞記事の切り抜きだが、細部へのこだわりが伝わってくる(恐怖心展大阪)
前回の行方不明展がそっと自分のなかに秘めておきたい展覧会だったのに対し、今回はつい他者の反応が気になるような、誰かと話しながら体験したい内容だった。
大阪会場から追加の「微細昆虫に対する恐怖心」(恐怖心展大阪)
ちなみに大阪会場からは新たな展示物として「微細昆虫に対する恐怖心」も追加される。どのような恐怖心なのか、実際に確かめてみてほしい。
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展覧会のメインビジュアルをあしらったTシャツ(4000円〜)やステッカー(2種セット・800円)、パンフレット(1300円)、展示物の一部を楽しめるガチャ(1回100円)など、グッズも販売中だ。
物販コーナーではTシャツやステッカーなどを展開(恐怖心展大阪)
『恐怖心展』は3月27日から5月10日まで開催。会場は、グランフロント大阪・北館地下1階のイベントラボ。チケット料金は2300円、券種は平日券と日時指定券の2種。
取材・文・写真/つちだ四郎
