全国高校選抜大会出場校特集 ソフトテニス女子 九州王者の明豊 目指すは日本一 【大分県】

 第51回全日本高校選抜ソフトテニス大会(28~30日、愛知・日本ガイシホール)の女子団体に九州代表として、明豊が2年連続で出場する。2024年5月に赴任した西村知樹監督が短期間で、一時は低迷したチームを再建。「全員で戦う」をモットーに鍛え上げ、今年度は九州で負けなし。全国の舞台でも明豊旋風を巻き起こそうと、士気を高めている。

 高校時代に全国高校総体で団体優勝の経験がある西村監督は、福岡県で実業団の監督や、国民スポーツ大会の成年女子監督を務めた。その手腕が買われ、3カ月ほど監督不在となっていた明豊の救世主となった。練習ができず、表情も暗い選手を目の当たりにし、「まずはメンタルを整えなければ。マイナスの状態で技術指導をしても身に入らない」と、一人一人と対話を重ねることから始めた。

エースの片山(右)

 前職で心を病む若手社員が多くなったことから、「もっと若い世代のことを理解しよう」とメンタル心理カウンセラーの資格を取得した。高校でも言葉の端々や表情、しぐさを見ながら話を聞き、どういう考えを持っているのかを把握した。共感すべきところはするが、間違っていれば「こういう意識でやらなければダメだ」と明確に伝えた。

 技術指導は大事な試合日から逆算して四つのフェーズを組む。フェーズ1は徹底して追い込み、心肺機能と筋力を最大限に上げる。フェーズ2で狙うコースやフォームの修正など細かな技術指導をする。フェーズ3は全員が新しいペアを組み、フェーズ4で大学生や社会人との練習試合で最終確認をする。赴任当初は県高校総体まで1カ月という過密日程の中、フェーズ1から4までに取り組み、選手も懸命についていった。本番では対戦相手にデータのない1年生を半数起用し、団体、個人ともに優勝するという「奇跡の大逆転」(西村監督)につなげた。

本番に向けての室内練習

 結果が出たことでチームはさらに結束した。当時の1年生が最上級生になり、「西村イズム」が浸透している。全国高校選抜大会の九州地区予選は1、2位決定戦でU―17日本代表を擁する宮崎商業を2―1で破った。勝負勘が優れるエースでキャプテンの片山伊織(2年)や、オールラウンドプレーヤーの中嶋恋暖(れのん、2年)らレギュラー8人だけでなく、12人全員がいつでも試合に出られるように同じ準備をしたことが奏功。直前のメンバー変更にも対応し、戦う集団に成長した。

 全国高校選抜大会は初戦で高岡商(富山)と対戦する。昨年は全国高校選抜、全国高校総体ともにベスト16だった。まずはベスト8の壁を破り、目指すは日本一。競技会場と同じ室内で練習しており、屋外とは違う戦い方も習得した。西村監督は常々、選手らに「グループではなくチーム。共通の目的に向かい、助け合えば大きな力になる」と話す。チームの絆を力に変え、全国でその強さを証明する。

(坂本陽子)