鳥取県の米子市民有志が27日に、あるイベントを企画している。2月8日に同市で予定されていた「NHKのど自慢」公開生放送が、大雪の影響で中止となり、前日の予選会を通過した20組がステージに立てなかった。企画されたのは、出場が「幻」となった通過者の思いをかなえてあげたいと、本番会場の前で歌う代替のカラオケ大会だ。
打ち合わせをする実行委員会のメンバーら(鳥取県米子市で)
NHKによると、台風や大雨の影響で予選会、本番ともに中止になったケースは過去10年で数件あった。しかし予選会で通過者が決まった後、本番が中止になるケースは「ここ最近では例がない珍しいケース」(広報局)だったという。
番組は一般的な歌唱コンテストにとどまらず、参加者が「あの人に歌を届けたい」とマイクを握る姿も見所の一つ。しかし参加者の募集時から振り替え公演はないと決まっており、宙に浮いた通過者の思いを「何とかしてあげたい」と、角盤町商店街振興組合が代わりのカラオケ大会を企画した。
ただ、NHKは通過者20組の名前を公表しておらず、独自に探し出す必要があった。このため、組合は今月6日からSNSで「『幻ののど自慢出場者』をみんなで見つけたいです」などと投稿して情報収集を開始。関係者を洗い出し、21日夕までに20組のうち17組と連絡がついた。大半が参加に向けて意欲を見せているという。
通過者の渡部千尋さん(32)は、知人から聞いて参加を申し出た。曲は、絢香さんの「はじまりのとき」。職業訓練校で1年間デザインを学んで就職し、春からの新生活への思いを込めて歌うつもりだ。「不完全燃焼だった思いをくんでくれ、うれしかった。精いっぱい歌いたい」と意気込む。
組合などの実行委員会が毎月末に地元で開く「地ビールフェスタin米子」に合わせて開く。公会堂前にステージを組み、通過者に本番と同じ歌を歌ってもらう。採点機能付きのカラオケ機器を使い、90点以上で「合格」、80点台は「鐘二つ」、70点台以下は「鐘一つ」とする予定だ。当日は本家の番組さながらに、司会者が参加者に歌に込めた思いを聞く予定という。
組合の森紳二郎代表理事は「生まれたばかりの娘に届ける歌だったり、支えてくれた人への感謝を込めた歌だったり、様々な思いがある。本番までに残りの人を何とか探し、盛り上げてあげたい」と話す。
カラオケ大会は午後6時開演予定。問い合わせは実行委メンバーの東條勝弘さんのメール(info@nowi.jp)。
◇NHKのど自慢=
1946年に始まった長寿番組。開始当初はラジオ放送のみだった。各地を巡回し、前日の予選会を通過した参加者が歌声とパフォーマンスを公開生放送で披露する。公式ホームページでは「誰かのために歌いたい、
想(おも)
いを届けるために歌いたい。そんなあなたのためのステージです」と紹介している。
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