(CNN) 米当局者はホルムズ海峡の封鎖が数カ月続く事態を回避しようと躍起だが、海峡再開に向けた明確な解決策はなく、トランプ大統領がイランへの圧力にどこまで踏み込むかに左右される部分もあると内々に認めているという。複数の政府当局者や情報機関関係者がCNNに明らかにした。

情報当局者の1人は海峡再開の取り組みに触れ、「今回の紛争の核心をなす難題の一つは、この問題でイランが実質的な主導権を握っており、明確な解決策がないことだ」と説明した。

国防総省内でここ数週間出回っている国防情報局(DIA)の内部評価では、イランはホルムズ海峡の封鎖を1カ月から6カ月継続する可能性があると判断しているという。文書の内容に詳しい情報筋4人がCNNに明らかにした。ただしホワイトハウスや国防総省の当局者は、この評価は真剣に受け止められておらず、特に一部で最悪のシナリオとの見方もある6カ月の時間枠については深刻視されていないと主張した。

ホワイトハウス高官の1人は、ヘグセス国防長官はこの評価を見ていないとコメント。トランプ大統領への説明は行われておらず、トランプ氏が政策決定の参考にしたこともないと明らかにした。

国防総省のパーネル報道官は声明で、DIAは「あらゆる最悪の結果に備えて計画立案を行う国防総省の情報機関の一つに過ぎない」と説明した。

パーネル氏はさらに「一つの評価があるからといって、それが妥当だということにならない。メディアが最悪のシナリオだけを取り上げて米国民の不安をあおるのは危険だ」と指摘。「私はこの問題に関するすべての報告会議に出席しているが、ホルムズ海峡が6カ月閉鎖されることはあり得ず、国防長官にとって全く受け入れられない事態だ。国防総省はイランによる海峡封鎖の試みに十分な備えができていた。最高司令官の指示の下、この問題に対処している」とした。

ホワイトハウスのレビット報道官も声明で、「ホワイトハウスがかねて主張しているように、トランプ大統領と国家安全保障チームはイラン政権による海峡封鎖の試みに十分備えていた。米軍はエネルギーの自由な流れを妨げるテロ政権の能力を徹底的に排除することに集中している」と述べた。

国防情報局は声明で、「当該の評価とされるものについて、DIAは確認も否定もできない」としている。

情報機関や政府の当局者によると、イランの攻撃能力を削ぐ米国とイスラエルの軍事作戦が続く中、ホルムズ海峡封鎖がどれだけ続くかを占う変数は毎日のように変化している。封鎖期間はこうした攻撃がイランの兵器備蓄にどの程度影響を与えるかに左右されるほか、イランの残りの軍事能力を巡っても不確実性が存在する。

米国は海峡再開に向けた軍事行動を強化しており、米軍制服組トップのケイン統合参謀本部議長は今週、イランのドローン攻撃への対抗や通航管理に使用されている兵器システムについて詳しく説明。攻撃機A10「ウォートホッグ」も海峡内の艦船への攻撃に当たっているという。

2025年1月のホルムズ海峡を捉えた人工衛星画像/Gallo Images/Orbital Horizon/Copernicus Sentinel Data 2025/Getty Images
2025年1月のホルムズ海峡を捉えた人工衛星画像/Gallo Images/Orbital Horizon/Copernicus Sentinel Data 2025/Getty Images

米国がイランの能力に打撃を与えたのは間違いないが、短距離ミサイルの備蓄は完全には破壊されていないと、国防総省高官は口をそろえる。ホワイトハウス当局者の1人は、戦争はまだ想定される4~6週間の日程の3週目に過ぎないと強調した。欧米の当局者によれば、米国とイスラエルはイラン海軍やミサイル戦力の排除に成功しているものの、イランには依然、海峡を通過するタンカーを狙う他の手段が残されているという。小型艇や小型潜水艇、さらにはジェットスキーもこの中に含まれ、小型艇には自爆任務でタンカーに損害を与えるための爆発物が搭載される可能性もある。

たとえ米国がイランのミサイルやドローン製造能力の除去に成功しても、こうした小規模な荒っぽい攻撃によるリスクは数週間残る可能性があると、当局者たちは語る。海峡通過を護衛する任務を行う場合、タンカー1隻あたり複数の駆逐艦が必要となる。また別の情報筋は、イランは依然、小型ボートで機雷を敷設する広範な能力を保持していると指摘した。

トランプ氏にしても、ただ単に船舶に海峡通過を命じるだけで済ますことはできない。リスクを取るべきかを判断する側が安心できるよう、米国はイランの能力が破壊されたか、あるいは脅威を軽減できるとほぼ言い切れる状況だと証明する必要がある。