教員のなり手不足が深刻化する中、秋田県が採用試験に「秋選考」を導入する方針を固めました。文部科学省も選考の早期化・複数回化を推進しています。ただ、現場が本当に求めているのは、採用の工夫と同時に、今働いている先生たちの働き方改革を進めること。採用と処遇改善の「両輪」について考えます。

文科省は、質の高い教員確保に向け、選考の早期化や複数回実施、社会人選考等の工夫改善を各自治体に通知した。

出典:文部科学省「教員採用選考試験の実施に関する留意点等について(通知)」

採用増に対し志願者が減り倍率は過去最低水準。選考の早期化に加え、働き方改革等の環境整備が急務となっている。

出典:文部科学省「令和7年度公立学校教員採用選考試験の実施状況について」

秋田県は教員不足解消に向け、現行の夏に加え「秋選考」を来年から導入し、受験機会を増やす方針を固めた。

出典:ABS秋田放送「教員のなり手確保に新たな一手 来年から採用試験の『秋選考』実施へ」

志願倍率1.07倍、16校で教員不足

秋田県教育庁は、来年から教員採用試験に「秋選考」を新たに導入する方針を固めました。現在は夏の年1回ですが、追加で志願者を募集し、受験機会を増やします。背景には、一昨年の小学校志願倍率が過去最低の1.07倍にまで落ち込み、県内の公立校16校で教員不足が生じているという危機的な状況があります。教員のなり手不足は秋田県に限った話ではなく、全国共通の深刻な課題です。

文科省が推す「早期化」と「囲い込み」

こうした動きは文部科学省の方針とも重なります。文科省は、民間企業との人材獲得競争の中で教員志望者を確保するため、第一次選考の前倒しを推進しています。令和8年度の採用試験では5月11日を標準日として示し、合格発表の大幅な前倒しも各教育委員会に要請しました。大学3年生のうちに筆記試験の一部を受けられる仕組みや、秋から冬に追加選考を設ける動きも全国的に広がっています。教員志望の学生が民間の就職活動に流れる前に接点を持つ、いわば「囲い込み」の動きです。

早期化の課題と多様な人材の確保

ただし、早期化には課題もあります。大学3年生が対象になる場合、学修に支障が出ないことが前提であり、大学の学事日程との調和が欠かせません。特定の自治体だけが日程を早めると他自治体との競合も生じるため、地域間の調整も求められています。また、新卒だけでなく、民間企業経験者や育児・介護で退職した方の再採用など、即戦力となる多様な人材の確保も急務です。しかし、これについては肯定的・中立的意見が目立ちますが、一部で「学校文化への適応不安」や「経験の活かし方次第」という慎重論が見られます。

採用と働き方改革の「両輪」で学校を支える

現場の先生たちが最も望んでいるのは、新たな採用の工夫と同時に、今働いている教員への働き方改革を強力に進めることです。文科省も、業務の精選や35人学級の推進、ICT活用による負担軽減を一体的に進めるとしています。育児休業等の代替として正規教職員を計画的に配置できる制度改正も進んでいます。採用の間口を広げることと、現職者が働きがいと働きやすさを実感できる環境を整えること。この「両輪」の改革こそが、教育の質を守り、持続可能な学校現場を築く鍵になります。

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