
写真は2025年10月の日米首脳会談で移動する高市首相とトランプ米大統領。都内で撮影。REUTERS/Evelyn Hockstein
[ワシントン/東京 19 日 ロイター] – 米国家情報長官室は18日に公表した「世界の脅威」に関する年次報告書で、台湾有事が集団的自衛権の行使を可能とする「存立危機事態」になり得るとした昨年11月の高市早苗首相の国会答弁について、日本の体制において「重みがある」とし、現職首相にとって「重大な転換」だと指摘した。
高市氏は19日、米ワシントンでトランプ大統領と会談する。首相は同発言について「日本政府の従来の立場を変えるものではない」と説明し続けてきた。
年次報告書は、高市氏の発言を受けて中国が多方面にわたる強制的圧力を用いていると指摘。こうした圧力は2026年を通じて激化すると予想した。その目的として「日本を罰することのほか、台湾危機への潜在的関与について他の国が同様の声明を出すのを抑止すること」があると分析した。
高市氏は昨年11月、台湾有事を巡って「存立危機事態になり得る」と国会で答弁した。歴代首相が同様の発言を公の場でしたことはなく、中国は反発。自国民に訪日を自粛するよう呼びかけたほか、中国軍機が自衛隊機にレーダー照射する事案が発生、さらに軍民両用(デュアルユース)品の対日輸出規制を発表するなどした。
木原稔官房長官は19日午前の会見で、いかなる事態が存立危機事態に該当するかについては「個別具体的な状況に即して政府がすべての情報を総合して判断するという政府の立場は従来から一貫しており、重大な方針転換との指摘は当たらない」と反論した。
このほか米政府報告書は、中国が尖閣諸島周辺での軍事および海警の活動も増加させると予想し、こうした活動が事故などのリスクを増大させ、意図しないエスカレーションにつながる可能性があると指摘した。日本が実効支配する同諸島は、中国も釣魚島と呼び領有権を主張している。
報告書は中国が27年までの台湾侵攻は計画しておらず、武力を使わずに台湾支配を実現したい意向を持っているとの見方も示した。
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