中国メディアの澎湃新聞は18日、エネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡の事実上の封鎖が韓国半導体産業を苦しめるとの記事を配信した。資料写真。

中東情勢の緊張が続く中、中国メディアの澎湃新聞は18日、エネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡の事実上の封鎖が韓国半導体産業を苦しめるとの記事を配信した。

記事はまず、「米国・イスラエルとイランとの戦争は世界的な原油価格の上昇を招き、戦場から遠く離れたアジアの国々も中東からのエネルギー輸入への依存度の高さを背景とする衝撃を感じている」と言及。そして、半導体産業もコスト増やサプライチェーンのリスク拡大といった影響を受けていると記し、「中でも半導体産業に支えられる韓国経済は長期にわたるエネルギーの脆弱性から、地政学的衝撃が急速に強烈な痛みとなる可能性がある」と指摘した。

3月初旬、半導体を中心とする韓国株式市場は2日連続で急落し、サーキットブレーカーが発動された。株価はその後回復したものの、電子業界では原材料コストの負担やエネルギーへの不安が増しているという。

記事によると、サムスン電子などの企業幹部と会合を行った韓国の与党議員は、戦争の長期化がエネルギーコストの上昇を招くのではないかと半導体業界が懸念していることに言及した。

韓国は原油の約70%、液化天然ガス(LNG)の約20%を中東から輸入しているという。記事は、「ホルムズ海峡の緊張は韓国のエネルギー需給の不安定性をさらに高め、またエネルギー価格の上昇は物流・生産コストを押し上げて企業の利益を圧迫する」との見方を示した。

また、「韓国のエネルギー構造は化石燃料が中心だ」などと指摘し、エネルギーを多く使う半導体産業は石油に支えられていると見なされていると言及。カーネギー国際平和基金のウェブサイトに13日掲載された文章が、「韓国のエネルギー輸入需要と先端半導体産業の電力需要のミスマッチが、長年にわたって同国の半導体の主導的地位を巨大なリスクにさらしてきた」と指摘したことを紹介し、「韓国が半導体製造の拡大を進めるのに伴い、エネルギー需要もさらに増加する見込みだ」と伝えた。

京畿道中部の龍仁市で建設が進む世界最大の半導体クラスターは、2027年に一部の稼働を予定している。メモリー半導体における主導的地位の強化を目指すものだが、京畿研究院のエネルギー評価によると龍仁クラスターの稼働には16ギガワット(GW)を要する。これは、韓国のピーク時の電力需要(約94GW)の約17%に相当するという。

このほか、韓国は半導体製造に不可欠なヘリウムについて、輸入の64.7%をカタールに依存しているが、戦争の影響でカタール・エナジーの施設が3月初旬に攻撃を受け、同社はLNG、ヘリウムの生産を停止した。

また、同じく半導体製造に使われる臭素でも韓国は輸入の98%をイスラエルに依存しており、その安定供給に懸念を強めているという。

記事は、「韓国政府は『代替供給源を探す、あるいは国内生産への転換が可能で、中東からの輸入がもたらす影響は限定的』と表明した」と伝えた上で、「供給の中断が長時間続く場合、不足や価格上昇を招く可能性がある」と指摘した。(翻訳・編集/野谷)