2026年3月17日 午前7時30分

 【論説】北陸新幹線越前たけふ駅の駐車場が有料化される方向だ。2024年の開業時に広大な敷地を用意し、その後拡張も行ったが、週末を中心に想定を上回る混雑が続く。乗り合わせのための駐車など駅を使わない目的外利用を防止しようと越前市が抜本的対策として判断した。

 越前たけふ駅は県内の他の3駅と異なり在来線駅に併設されず、単独駅として立地している。駅前に乗り場がある高速バスの利用者を含めたパークアンドライド用として現在、計540台分の無料駐車場が整備されている。

 新幹線開業当時、市などは「お得で便利」「福井、奥越からも利用を」と呼びかけた。市郊外の田園地帯に駅が整備され、乗降客数を不安視する向きもあったに違いない。

 ところが、あまりの混雑ぶりに新幹線の利用者から苦情が寄せられる状況となった。昨秋約100台分を拡張したが、土日祝日や連休などは引き続き満車の日が多いという。

 市の調査では日帰り利用が主だが、1、2泊の出張や観光などで駐車する人も目立ち、福井市南部など丹南地域以外からも福井駅周辺の有料駐車場を避けて訪れるとみている。料金面でも優位性のある高速バス利用者の駐車も多いという。

 市は乗り合わせで駐車する目的外利用は少なくとも1割ほどあると推測する。幹線道路の国道8号から近く、すぐ北側には北陸自動車道武生インターチェンジがある立地の良さにひかれるのだろう。

 市が先に示した有料化案は1時間につき100円、1日最大500円(一部400円)とし、隣接する道の駅の来場者に配慮し2時間まで無料とする。新幹線と高速バスの利用者は500円を割り引く方針で、1日目は実質無料となる。早ければ6月市会で割引システムなどハード面の整備を含めた具体策を提示する見通しだ。

 昨春の駅利用者アンケートでは、混雑対策に関し「無料の方が良い」が53%、「有料化などを検討する」との回答が39%あった。数字からは混雑ぶりを実感し、一定の負担もやむを得ないと考える利用者の心の内がうかがえる。

 ただ、市の料金案に関し、市会などでは「目的外の場合でも非常に安い」「有料化されても混雑は変わらないのでは」といった声が出ている。

 目的外利用を抑制し新幹線利用の送迎を促す一方で、道の駅の来場者や切符の購入などに訪れる人たちに配慮する必要はある。乗り合わせの駐車を控えるよう今後も周知するとともに料金の議論をさらに進め、有料化後も検証を繰り返す必要があるだろう。