トランプ大統領の予測不能性が「究極の曖昧戦略」を体現
![]()
著者フォロー
フォロー中
2026.3.18(水)
昨年10月30日に韓国で会談した米中両首脳(写真:AP/アフロ)
欧州滞在中に実感したイラン攻撃の影響
2月28日に開始された米国・イスラエルのイラン攻撃に対して、イラン側からの反撃はイスラエル、中東全域に及び、各地の米軍基地等が被害を受けている模様である。
しかし、その被害状況については中東各国および米国において情報管制が敷かれているようで、詳細な内容は報道されていない。
この戦争は筆者の2月22日から3月15日までの米国欧州出張中に始まった。欧州の友人たちから彼らの同僚や知人が中東の空港で足止めされて困っている話を耳にした。
EUの入出境時の安全確認も強化されているようで、筆者自身も3月5日に米国のワシントンD.C.からベルギーのブリュッセルに入る入国手続き、14日にドイツのフランクフルトから東京に戻る際の出国手続きではそれぞれ1時間半以上かかるなど、いつもの2倍以上の時間を要した。
特に、フランクフルトでは搭乗予定の飛行機の搭乗時間に間に合わなくなる旅行客が続出し、出境審査のための長い行列に横から割り込む人が増えた。
それを巡って乗客同士の言い争いが生じるなど、普段では見られない険悪な状況になっていた。期せずしてイラン戦争の影響を実感することになった。
米国欧州諸国の専門家、政治家の反応
米国とイスラエルによるイラン攻撃以降、筆者が面談した米国および欧州の有識者は全員がこれを国際法違反であると批判した。同時に、この攻撃を高く評価する有識者・専門家はほとんどいないと思うと語った。
ただ、一部の有識者は、全面的な批判ではなく、次のような留保条件を付言した。
・イランが核保有に向かうリスクは世界中の多くの国々が強く懸念していた問題だったため、この攻撃によってリスクが軽減されることはありがたいという部分がある。
・イラン国内で本年1月8日、9日に行われた反政府デモ参加者の3000人以上が当局によって殺害されたとイラン政府が発表した。こうしたイラン政府の非人道的行為を考慮すると、今回のイラン攻撃を全面的に批判するのは難しい。
この間、欧州主要国の首脳も米国に対して厳しい批判を表明することを避けている。国際法に違反していると厳しく批判したのはスペインのペドロ・サンチェス首相だけである。
仏エマニュエル・マクロン大統領、伊ジョルジャ・メローニ首相とも国際法の外にあるというマイルドな表現での批判にとどめたほか、独フリードリッヒ・メルツ首相、英キア・スターマー首相は国際法違反に関する明確なコメントを避けた。
欧州はウクライナを侵攻し続けるロシアに対抗するために米国の軍事支援の継続が不可欠である。そのためにトランプ大統領を不愉快にさせるような批判を避けているようだ。
