2026.03.01

Sponsored by 岩佐教育文化財団

一般社団法人モザンビークのいのちをつなぐ会(代表者 榎本恵)

一般社団法人モザンビークのいのちをつなぐ会(代表者 榎本恵)

社会課題の解決やSDGsで掲げられた目標の達成へ懸命に行動する人たちを支援する「SDGsジャパンスカラシップ岩佐賞」(SDGs岩佐賞)の第7回受賞者が3月1日(日)に公表されました。SDGs ACTION!では、受賞者の方たちの活動内容をご紹介します。


活動名:モザンビークの寺子屋でスラムと紛争避難民の子どもの命と夢を育む

教育の部 賞金300万円

長い植民地支配、戦乱、そして度重なる自然災害により、後発開発途上国の一つに位置付けられているアフリカのモザンビーク。とくに、北部のカーボデルガド州は、いまもイスラム過激派による攻撃が続く危険地域で支援の手が届きにくく、“忘れられた州”とさえ呼ばれています。

飢えや疫病、テロの脅威が常態化しているカーボデルガド州のスラムに、代表の榎本が住宅兼事務所を構えたのは、2013年のこと。前年に仕事でこの地を訪れた際、貧困の実態を目の当たりにして一念発起。「モザンビークのいのちをつなぐ会」を設立し、現地で教育活動を始めたのです。

貧困を解消するには、読み書きや計算能力を身につけなければならない。そんな思いの背景には、天然資源の豊富なモザンビークならではの事情もありました。先進国が開発を進める中で、字の読めない現地住民が不利な契約にサインしてしまい路頭に迷う、といった事態が多発していたのです。

2014年、学校と公民館の機能を併せもつ「ペンバ寺子屋」を、現地の有志とともに建設しました。ここで、子どもを中心とする2~40歳の“生徒”に、読み書きや算数、英語、社会、工作などを指導。朝はパン、夜は豆シチューといった食事を配布し、歯磨きや手洗いなどのレクチャーを行うことで、栄養失調や不衛生な環境を改善していきました。病気・けがの応急処置や救急搬送を担う駆け込み寺としても機能しています。2021年には、2カ所目の寺子屋「ナンプラ寺子屋」も開設しました。

交流のある大阪の小学生の似顔絵を描く「ペンバ寺子屋」の子どもたち
交流のある大阪の小学生の似顔絵を描く「ペンバ寺子屋」の子どもたち=モザンビーク

私たちの寺子屋は、現在、約350人が通所しています。卒業生の中には、政府の奨学金でドイツ留学が決まった人や、プロサッカー選手になった人もいます。また、ここで学んだ人がやがて講師になるなど、「学びの循環」も生まれています。

さらに、寺子屋を拠点として、パソコン教室や環境美化活動、有機農業など、コミュニティの自立や創造性を育むプロジェクトも始動し、約100人のメンバーで活動を展開しています。2024年には、寺子屋の生徒らが来日し、歌とダンスのパフォーマンスを披露するなど、国際交流も進んでいます。

「無教育の連鎖」を断ち切る私たちの草の根活動は、相互扶助の心を育てています。地域の人が自分たちの力で命を守り、地域経済を循環させていけるよう、今後も息の長い活動を続けていきます。

受賞コメント
紛争、災害、貧困などの問題が山積する中、様々な障壁にぶつかり、悔し涙を流すこともあります。今回の受賞は、「小さいけれど、チカラ持ち!」な私たちの活動の未来を開くエネルギーになるでしょう。賞金は子どもたちの配食費や薬代に充て、スラムの支援と経済循環を生む新たな活動にも挑戦していきます。

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