島根県江津市が11月16日に記者会見を開き、2026年秋に『52未来プロジェクト A1市街地グランプリ GOTSU 2026』を開催すると発表した。
このレースは2020年に日本で初めて公道を封鎖して実現した市街地カートレース『A1市街地グランプリ GOTSU 2020』に続くイベント。コロナ禍で規模縮小を余儀なくされた前回大会を経て、江津市は“ゼロカーボンシティ”を掲げる自治体として脱炭素燃料によって走るカートを使用する新たな市街地レースを企画した。
今回の大会は、江津市が2025年に始動させたGX(グリーン・トランスフォーメーション)施策『52未来プロジェクト』のメインイベントとして位置づけられる。最大の特徴は、ガソリンを使わないレースであること。EVカートに加え、水素や合成燃料など、CO2排出を抑えた次世代パワートレインも視野に入れた企画が進行しており、国内の市街地レースとしては異例の“脱炭素レース”を目指す。
発表会見およびトークショーには、前回大会でレース解説を務めた森脇基恭氏、F1中継でおなじみの堀池亮介氏らも登壇。両氏によるトークショーは「日本のモナコへ~江津から始めるモータースポーツと未来のまちづくり~」と題され、新たに脱炭素燃料に取り組む意義や2026年大会の実現に向かう江津市の挑戦を盛り上げた。
レース運営は前回に続きA1市街地レースクラブが担当。代表の上口剛秀氏は「前回は日本初の挑戦を地域の皆様と一緒に達成をするということで提案をし、実現させていただきました。今回はカーボンニュートラルという新たな挑戦として取り組みたいと思っています。江津市としての新たな発展につながるように尽力します」と意気込みを語っている。
2020年大会は新型コロナの影響で観客を市民に限定せざるを得ない状況だったが、2026年大会では観客枠の拡大と全国向けのライブ配信も計画しているとのこと。江津市は島根県西部の小都市だが、全国発信によって地域の魅力を広く届ける狙いもある。
また、レース開催に合わせて、GXに関する各種展示やショーの開催も検討。各企業が開発している自動運転、水素エンジン、AI技術、ネットワーク技術など、最先端のモビリティ技術を“街の中で体験できる場”として提供する計画だ。A1市街地グランプリは単なるレースイベントではなく、街そのものを実験場にするコンセプトへと進化しつつある。
大会長を務める中村中・江津市長は「もともと盛んだった再生可能エネルギーの取り組みを未来の子どもたちに引き継ぐため、市は令和5年6月にゼロカーボン宣言をいたしました。カートレースもこの一環として開催を予定しており、環境にやさしいカートを使ったレースと同時に、GXに関する各種展示やショーの開催も検討しています。クリーンなエネルギーの可能性とともに、サステナブルな江津市の魅力を市内外に力強く発信していきたいと考えています」と語った。
2026年秋、地方都市が描く“未来のモータースポーツ”がふたたび動き出す。脱炭素技術と市街地レースの融合は、国内モータースポーツ界に新たな可能性を示すことになりそうだ。
[オートスポーツweb 2026年03月12日]
