韓国の李在明大統領(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

 イランに対する米国・イスラエルによる攻撃に端を発する軍事衝突が「全面戦争」の様相を呈し、「戦争長期化」の見方が支配的になりつつある中、その火の粉が朝鮮半島にまで及んできた。米国が中東戦線の戦力空白を埋めるため、在韓米軍の核心的な戦略資産を次々と“抽出”し始めたためだ。

イラン戦争の余波で韓国の防空網に「空白」

 韓国および海外メディアの報道によれば、「韓半島連合防衛態勢」の要である地対地ミサイル「ATACMS」や精密誘導爆弾(JDAM)キット1000余発に続き、パトリオット(PAC-3)砲台や高高度防衛ミサイル(THAAD)装備までが中東配備のために転用されているという。さらに、群山(クンサン)基地に常駐していた無人攻撃機MQ-9リーパーも移動配備の対象に含まれたことが明らかになった。

 韓国防衛の核心である「キルチェーン」と「防空網」の資産が大量に流出するという、前例のない“安保空白”が生じているのである。

 朝鮮半島の有事における韓国軍の核心的な対応体系「韓国型3軸体系」のうち、第1軸であるキルチェーン(Kill Chain)は、敵の核・ミサイル攻撃の兆候をリアルタイムで探知し、発射前に制圧する攻撃型防衛システムだ。探知(Detect)から評価(Assess)までの6段階のプロセスを30分以内に完了することを目標としている。ここで米国の戦略資産は、韓国軍独自の能力だけでは不足している決定的な連結環を埋める役割を担っている。