【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)

(引用元:ESA/Hubble)

今回紹介するのは、かに座の方向約6億5000万光年先にあるスターバースト銀河「J082354.96+280621.6」(以下、J082354.96)です。この画像はハッブル宇宙望遠鏡の広視野カメラ3(WFC3)で取得されたもので、ESA/Hubbleから2013年4月1日付で公開されました。

J082354.96は、暗い宇宙の中にぽつんと浮かぶ、小さく輝くフックのような姿が印象的な天体です。

かに座の方向約6億5000万光年先にあるスターバースト銀河「J082354.96+280621.6」。ハッブル宇宙望遠鏡のWFC3で紫外線・可視光・赤外線の3つのフィルターを使って撮影されたもの(Credit: ESA/Hubble & NASA, M. Hayes)【▲ かに座の方向約6億5000万光年先にあるスターバースト銀河「J082354.96+280621.6」。ハッブル宇宙望遠鏡のWFC3で紫外線・可視光・赤外線の3つのフィルターを使って撮影されたもの(Credit: ESA/Hubble & NASA, M. Hayes)】ライマンα放射で銀河の内部を探る

スターバースト銀河とは、通常の銀河と比べて非常に激しいペースで星が生まれている銀河のことです。J082354.96もそのひとつで、銀河内部では爆発的な星形成活動が起きています。

こうした銀河の性質を調べるうえで天文学者が注目しているのが「ライマンα輝線」と呼ばれる紫外線の光です。水素原子中の電子がエネルギー準位を遷移するときに放射されるもので、銀河内部のガスで何度も散乱されてから外に出てくるため、銀河の内部にどのようなガスやダスト(塵)が存在するかを探る手がかりになります。

ライマンα輝線の研究はこれまで遠方の銀河で行われることが多かったのですが、「LARS(Lyman Alpha Reference Sample)」というプロジェクトでは、J082354.96を含む比較的近傍の14銀河を対象に調査が行われました。その結果、ダストが少ない銀河ほどライマンα輝線の光子がより遠くまで届きやすく、ライマンα輝線の広がり方とダスト量に関連があることが示されました。

 

 

編集/sorae編集部

関連記事参考文献・出典ESA/Hubble – potw1313aHayes, Östlin et al., “The Lyman Alpha Reference Sample: extended Lyman alpha halos produced at low dust content”, The Astrophysical Journal, 2013

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