執筆:外為どっとコム総合研究所 為替アナリスト 中村 勉
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今週の振り返り

先週末28日にイスラエルと米国がイランへの軍事行動を開始したことで、外国為替市場ではリスク回避の動きが強まり、今週の豪ドル/円は109.68円前後、ニュージーランド(NZ)ドル/円は92.74円前後と共に前週末終値からギャップダウンして取引が開始されました。もっとも原油価格やLNG(液化天然ガス)価格が急騰したことで、資源国通貨である豪ドルやNZドルが買われたため、豪ドル/円、NZドル/円はともに早々に窓を閉じると、豪ドル/円は3日には112.10円前後、NZドル/円も同日に93.11円前後まで上値を伸ばしました。もっとも、エネルギー価格の上昇が景気に悪影響との見方から世界的に株価が下落した4日には、豪ドル/円とNZドル/円は反落。その後は方向感のない動きとなりました(執筆時)。

豪GDPは強い結果

4日に発表された豪10-12月期GDPは前年比+2.6%となり、市場予想(+2.3%)を上回り2023年4-6月期以来の高い伸びとなりました。前期比は+0.8%で7-9月期の+0.5%から伸びは加速していました。一方で、5日に発表された豪1月個人消費支出は前月比+0.3%となり市場予想を下回る結果となりましたが、10-12月期GDPでは家庭貯蓄率が6.1%から6.9%へ上昇していたことから、家計の支出余力は十分にあると考えられます。これらの結果を受けても、市場が織り込む3月17日のRBA理事会での追加利上げ確率は27%前後にとどまっています。一方で、5月の利上げは完全に織り込まれています。4月29日に豪1-3月期消費者物価指数の発表がありますので、その結果を見極めたいとの見方が引き続き優勢となっています。

来週は豪州、NZ共に主力級の経済指標の発表はありません。そのため、豪ドル、NZドル相場は中東情勢を背景とした株式市場や商品市場の動向を睨んだ動きが続きそうです。中東情勢の悪化や長期化懸念が高まれば、世界的に株価は下落する一方で、原油価格などは上昇する見込みとなります。今週の豪ドルやNZドルは2日は原油などのエネルギー価格の急騰につれて上昇しましたが、3日には世界的な株価の下落を背景に売られたため、株式市場と資源価格のどちらの動きに左右されるかは、その時々となりそうです。もっとも、ロシアがウクライナに侵攻を開始した2022年2月を振り返ると、豪ドルは初動ではリスク回避の動きで売られましたが、その後は天然ガスや原油価格の急騰を支えに上昇に転じたので、今回も同様の動きとなる可能性がありそうです 。

豪ドル/円のテクニカル分析

豪ドル/円は、昨年10月23日以降日足一目均衡表の基準線をサポートに上昇基調を維持しています。引き続き同線が目先のサポートとして意識されそうです。終値ベースで同線を下抜けた場合は調整が加速することも考えられます。その場合は、週足一目均衡表の転換線や2月16日安値の107.71円前後が下値目途となりそうです。一方、上値は約35年振りの水準へ上昇しています。この上の水準にはめぼしい上値目途が見当たりません。3日の高値(112.10円前後)を上抜けた場合、113.00円、114.00円といった節目が意識されそうです。

【豪ドル/円 日足・一目均衡表】

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ:AUD/JPY:109.000-112.500、NZD/JPY:91.500-94.500

3/9週のイベント:

03/09 (月) 10:30 中国 2月生産者物価指数(PPI)
03/09 (月) 10:30 中国 2月消費者物価指数(CPI)
03/10 (火) 時間未定 中国 2月貿易収支
03/10 (火) 08:30 豪 3月ウエストパック消費者信頼感指数
03/10 (火) 09:30 豪 2月NAB企業景況感指数
03/12 (木) 06:45 NZ 10-12月期四半期製造業売上高

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外為どっとコム総合研究所 情報企画部 為替アナリスト
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。

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