能登半島地震の後にシロエビやベニズワイガニの漁獲量が激減した原因とみられているのが、海底地滑りと、それに伴い発生した土砂などが海底を駆け下る「乱泥流」です。
この乱泥流が頻発していた可能性があることが、研究者の調査で分かりました。

これは、富山大学や金沢大学の研究者でつくる富山湾研究会が、地震後の調査結果を発表するシンポジウムできょう報告しました。

乱泥流について発表したのは、九州大学の千手智晴准教授です。

千手さんは、富山湾の北東へ向けて走る富山深海長谷で水の流れや水温、濁り、酸素濃度などを調査し、地震前後のデータを解析しました。

その結果、谷を駆け下る早い流れが地震後に確認され、一度の流れはおよそ20時間続いていたことが分かりました。
流れの先端部分は堆積物を巻き上げながら下り、強い流れの厚みは50メートル以上あることも分かったといいます。
また、生き物の生息に悪影響をもたらす低酸素の状態が谷底の広い範囲で続き、濁りが増えていたことなども確認しました。

これらのことから、富山湾では地震後、大規模な乱泥流が発生したほかにもろくなった地盤が崩れて小規模な乱泥流が頻発したとしています。

また富山大学の立石良准教授は、断層運動の繰り返しによって富山湾が沈み込み、崩壊してきた歴史を解説しました。

公開シンポでは、6人の研究者らによる討論もあり、海底地滑りや乱泥流による海底の変化が今後、豊かな海を作り出すきっかけになることを期待したいと話していました。