
ハンファオーシャン提供(c)news1
【03月07日 KOREA WAVE】最大60兆ウォン(約6兆6000億円)規模とされるカナダの次世代潜水艦導入事業(CPSP)をめぐり、「分割発注」という新たな変数が浮上している。
12隻の潜水艦を韓国とドイツに6隻ずつ発注する案が検討され、受注を目指す両国の計算は複雑になりつつある。受注規模が縮小する可能性があるため、技術移転や現地投資などの条件も再調整が避けられない見通しだ。
現地メディアによると、カナダ政府は韓国(ハンファオーシャン、HD現代重工業)とドイツ(ティッセンクルップ・マリン・システムズ)にそれぞれ6隻ずつ割り当てる選択肢を検討している。早ければ4月初めにも最終決定が下される可能性がある。
カナダが検討している構想では、ドイツの「Type-212CD」潜水艦6隻を大西洋沿岸の哨戒任務に、韓国の「KSS-IIIバッチII」潜水艦6隻を太平洋沿岸およびインド太平洋作戦に配備する案が議論されているという。
分割発注には地政学的リスクを分散し、政治的バランスを保つ利点がある。大西洋と太平洋という異なる作戦環境を踏まえ、それぞれ異なる設計の潜水艦を活用するという戦略的意味もある。また、防衛装備の契約と連動した産業投資を両国から引き出せる点も魅力とされる。
一方で潜水艦事業は単なる装備調達にとどまらない。30年以上にわたる維持・補修・整備(MRO)や乗員教育、訓練体系などが含まれる大型プロジェクトだ。
プラットフォームが二元化すれば、乗員教育や部品調達、整備インフラの構築費用が増大する可能性がある。長期的なMRO体制も別々に運用せざるを得ず、結果としてコスト負担が重くなる懸念も指摘されている。
韓国側にとって分割発注は最善の結果とは言えないが、北米市場進出の足掛かりになる可能性もある。6隻でも確保できれば、韓国製潜水艦が北米の海軍戦力として運用される初の事例となる可能性があるためだ。
生産面では負担軽減という見方もある。12隻すべてを短期間で受注すれば、韓国海軍向けの建造計画と並行して生産圧力が高まるが、6隻であれば管理可能な規模との評価もある。
ただし不利な点も明確だ。潜水艦事業は建造契約だけでなく、ライフサイクル全体の維持・整備で収益が発生する。発注数が半減すれば長期収益も縮小する。
さらにカナダ海軍の単一標準プラットフォームにならなければ、将来の改良事業で主導権を握ることも難しくなる。
韓国とドイツの双方はこれまで、12隻一括受注を前提に技術移転や現地投資、産業協力などの条件を提示してきた。分割発注案が確定すれば、これらの提案内容の再調整は避けられない見通しだ。
また、現代自動車グループが提示した水素燃料インフラ構築案についても再検討が必要になる可能性がある。
ハンファオーシャン関係者は「調達政策や方式はカナダ政府の判断と権限」と述べ、慎重な姿勢を示した。
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