
金沢工業大の学生が製作した旧野々市尋常高等小学校の模型=野々市市のにぎわいの里ののいちカミーノで
1970年ごろまで野々市市本町にあった旧野々市尋常高等小学校(現在の野々市小)の校舎を金沢工業大(同市)の学生たちが模型で復元した。校舎で学んだ最後の卒業生たちからの依頼を受け、かつての学びやの姿を後世に残そうと製作。卒業生たちはお披露目された模型を基に小学校時代の思い出を語り合った。(中尾真菜)
模型で復元したのは、23(大正12)年に本町に建てられた木造校舎。戦後、野々市小と改称し、61(昭和36)年に統廃合で移転新築後、旧校舎は70年ごろに解体された。
模型製作は木造校舎で学んだ61年度の卒業生が企画。3年前の同窓会で校舎の写真や平面図を展示したところ、模型を作りたいという声が上がり、近代建築を専門とする同大の勝原基貴講師の研究室に依頼した。
同研究室では昨年4月ごろから製作を開始し、4年の沖田帆海(ほのか)さん(22)が資料集めを担当した。町の資料はあっても小学校に関する資料は少なく、図書館で探したり、地域住民から募ったりした。卒業生からの聞き取りをし、上空からの写真を見ながら細かな建物の配置などを確認した。集めた資料を基に、4年の久田晴輝さん(22)が10月ごろから模型を製作。資料を参考に窓の数や位置まで再現した。
完成した模型は縦180センチ、横90センチで100分の1サイズ。H字形の校舎や講堂、広い運動場に加え、小学校があった場所が町の中心であったことも伝えようと、隣接する公民館や町役場など周囲の風景も復元した。
2月16日には、小学校跡に建てられた複合施設「にぎわいの里ののいちカミーノ」で、企画した卒業生らに模型がお披露目された。卒業生らは模型を囲み、小学生時代を懐かしんだり、校舎での生活を学生らに教えたりした。卒業生の一人、竹内豊憲さん(76)は「こんな立派なものができるとは想像していなかった。想像以上のものができて驚いている」と喜んだ。
久田さんは「限られた資料から復元模型を作るのに苦戦はしたが、かなり少ない資料の中では完成度の高いものができたと思う」と振り返る。沖田さんは「小学校に通っていた方々には模型を見ていろんなことを思い出してほしいのと、小学校を知らなかった世代の方にも野々市の町の中心として小学校があったことを知ってほしい」と話した。
模型は同研究室が市に寄贈し、カミーノで展示する。
