「本動画は過去の事案…」「関係機関等と連携しすでに対応済である…」
これは1月20日、中学生による暴行動画がネット上に拡散している事態を受けて沖縄県浦添市の教育委員会が出したコメント。
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拡散された動画は、2年前にSNS上で出回ったものだった。当時中学生だった浦添市内の中学校の生徒が、別の生徒に繰り返し暴行を加える様子が映っている。
警察が捜査、事件処理を終えた事案だったが、動画が再び拡散されたうえ、加害者の特定を求める返信やリポスト(再投稿)も多く影響が広がったため、市教委は改めて発信する必要に迫られたのだ。
未成年の非行を映した動画が、時間をおいて再びネット上で拡散される現象は、沖縄だけでなく全国的に相次いでいる。なぜなのだろうか。
■何のために拡散するのか
青少年のインターネット利用やいじめ防止対策などに詳しい千葉大学教育学部長の藤川大祐教授は次のように分析する。
千葉大学 教育学部長 藤川大祐教授:
「(SNS上の)暴露系アカウントが私的制裁を行うのは、公的な対処が不十分だと考える人が増えていることの反映と思われます。いじめ場面を晒すことについて、一定の注目と共感が集まると考えられているからでしょう」「学校や教育委員会等のいじめ事案への対応が不十分と思われている場合が多いことが影響しているものと思われます」
“正義” を掲げ、露悪的にやっていることが、こうした状況を生じさせている、と語った。
– 暴露系アカウントとは?
– SNSや動画サイトにおいて、著名人や企業の不祥事、個人の迷惑行為、知られたくないプライベート情報などを収集・公開し、拡散させるアカウント。閲覧数に応じた収益獲得や自身の知名度向上のほか、「悪を裁く」という正義感の行使などを目的に投稿していると考えられている。
沖縄県警察にも聞いた。県警本部・少年課は、SNS利用者に冷静な対応を呼びかけている。
「関係する児童などを誹謗中傷する書き込みや事実と異なる投稿がなされ、(動画内容とは別の)新たな人権侵害につながりかねないものがみられる。内容によっては名誉毀損罪や侮辱罪などに抵触する可能性があります」
