逸翁美術館(大阪府池田市)で、「和モダン大阪―日本画コレクション」が4月18日から開催されます。
江戸時代から明治・大正・昭和へと続く都市の繁栄を背景に、モダン大阪の人々は様々な文化芸術を謳歌しました。近代建築が建ち並ぶ都会でビジネスにいそしむ人たちも、家に帰れば和服に着替え畳の座敷で和食をいただくのがもっぱらです。こうした和風の生活様式を基本とする人々にとって、やはり日本画は日々の生活の中で身近に愛された芸術でした。けれどもその絵画作品は、伝統を模倣することだけに飽き足らず、どこかひねりのあるモダンなセンスが愛されたように思われます。
本展では、小林一三が蒐集した日本画コレクションから作品を選び、当時の人たちが絵画を愛でた三つのシーンが再現されます。
上田耕冲 桃花牧童図
木谷千種 舞姫図/箱書に「曽根崎艶話舞姫」と記され、大正5年(1916)刊行の小林一三『曽根崎艶話』に掲載された図版の原画と知られる作品。本図は、鮮やかな緋の長襦袢、白茶地に銀襴大模様の帯、紫陽花の花櫛に赤紐の前髪括りなどと細やかに表される「襟替え」の舞妓「豆千代」を描いている
2026 展示 II「和モダン大阪―日本画コレクション」
会場:逸翁美術館(大阪府池田市栄本町12-27)
会期:2026年4月18日(土)~6月14日(日)
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:毎週月曜日(ただし5月4日は開館、5月7日[木]休館)
観覧料:一般700円、学生(高校生以上)500円、中学生以下無料
アクセス:阪急宝塚線 池田駅下車 徒歩10分
詳細は、逸翁美術館公式サイトまで。
近代大阪の人々が愛でた三つのシーンを再現
本展では、小林一三が蒐集した日本画コレクションから作品を選び、当時の人たちが絵画を愛でた三つのシーンが再現されます。その第一として、お座敷の床飾りに好まれた季節の風情を描く作品には、ご来客をおもてなしする優しい思いが知られます。そして第二に、詩歌などの文芸とともに楽しまれた文人画や俳画の作品には、文化を担った大阪人の心意気が覗われます。また第三には、茶会・宴会など人々が交遊する場を賑やかに盛り立てた作品からは、歓声や喝采が聞こえてくるようです。こうした三つのシーンを通じて、近代大阪の人々が愛でた和モダンの世界を体感できる展示となっています。
森一鳳 月黑猿図
日根対山 雪中蜀山道図
菊池芳文 茗荷竹図
姫島竹外 錦魚図
庭山耕園 箕面図
小室翠雲 魚介蔬菜図額
西山芳園 洋楽渡来図 小竹賛
本展は、小林一三という稀代のコレクターの眼を通し、お座敷でのもてなし、知的なユーモア溢れる文芸、そして華やかな社交の場という三つの異なる角度から日本画を捉え直す試みが光ります。伝統に甘んじない「ひねりのあるセンス」が光る名品の数々を通して、近代の大阪人が愛した「和モダン」の世界に浸ってみてはいかがでしょうか。(美術展ナビ)
