2025-26シーズンは中村敬斗、関根大輝が牽引する若き獅子たちの最新動向を、現地フランスから小川由紀子が裏話も満載でお届けする、大好評のスタッド・ランス取材レポート。

第24回は、2月の振り返り前編として、準優勝した昨季に続いて準々決勝まで到達したフランスカップの模様を、両者アシストで勝利に貢献したランス兄弟の試合後コメントとともにお伝えしよう。

1カ月ぶり先発の背番号3が値千金のアシスト

 スタッド・ランスの2月は、フランスカップのラウンド16で幕を開けた。

 対するは、リーグ2でも順位を競っているル・マン。しかも、昨年9月から公式戦20試合無敗を継続中、という絶好調な相手とのガチガチの争いとなったのだが、こちらも第20節サンテティエンヌ戦(○1-0)、第21節クレルモン戦(○0-1)の2連勝で波に乗っていたランスが3-0と、本拠地オーギュスト・ドゥローヌで見事な完封勝利。ついでに相手の無敗記録もストップした。

 試合は前半、MFテオ・レオーニの素晴らしいボレーシュートでランスが先制。有利な状態で後半に臨んだが、ル・マンも猛反撃を仕掛けてくる中で1点のみのリードは、あまりにも心もとなかった。

 そんな喉から手が出るほど追加点が欲しかったタイミングで、71分にレオーニが値千金の2点目。そして彼のシュートをお膳立てしたのは、関根大輝だった。

 1月10日に行われたラウンド32以来の先発出場となった関根は、ペナルティエリアの少し手前でボールを受けると、体を回転させながら右手から上がってきたレオーニにパス。受けたレオーニが、ドリブルから相手GKの頭上を抜く見事なシュートを決めた。

 これで完全に優勢に立ったランスは、さらに終盤、69分から出場したエースの中村敬斗が魅せる。

 84分、相手の甘いパスをインターセプトした中村はそのままドリブルで激走。右サイドでフリーだったヤシン・ベンアタブに絶妙のパスを送ると、23歳のウインガーは飛び出してきた相手GKを華麗な足技でかわしてゴール左隅にシュートを突き刺した。今季加入したテオーニ、そしてこの冬のメルカートで加入したベンアタブともに、記念すべきランス入団後初ゴールだ。

 このダメ押し点で試合は決着。ランスは晴れて準々決勝進出を決めた。

 「自分は普段は守備的な役割を任されているけれど、今日はマーシャル(ティア)が累積警告でいなかったから、監督からより前へ仕掛けていくように言われていた。この伝統あるクラブで初ゴールが決められてうれしい」

 ベルギーの強豪アンデルレヒトから今シーズン加わった25歳のレオーニは、今や完全にスタメンに定着している主力の一人だ。

ル・マン戦後のテオ・レオーニ。昨夏スタッド・ランスと5年契約を結んだベルギー人MFは、加入後の第5節から第24節までリーグ2全20試合に出場して4アシスト、フランスカップでは4試合2ゴール1アシストを記録している(Photo: Yukiko Ogawa)

 そして勝利の決め手となった71分の追加点を導き出した関根も、殊勲ものの活躍だった。

 「ターンした時にテオの動きも見えてたんで、出してアシストになったからよかった。あのシュートに感謝です。あれはうまかった!」

 試合後にそう言ってシュートを褒めた関根ではあったが、右サイドから突っ込んできたレオーニに出した彼のパスも、位置、球速、強さ、タイミングすべてがぴったりだった。

 「今置かれている状況では、結果を残すしかないと思っていて。前半はいい形で(高い位置に)上がってはいたんですけど、なかなかパスがこなくてもどかしい気持ちがずっとあった。もっとボールが入ってきたらできる自信はあるし、もちろん守備が大事なのはわかってましたけど、その中でも結果を残すことを意識していたので。あの場面は自分の良さが出た場面でもあったと思います」

試合後、勝利を祝うサポーター(Video: Yukiko Ogawa)

関根「自分をもっと有効活用してほしくて…」

……

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Profile
小川 由紀子

ブリティッシュロックに浸りたくて92年に渡英。96年より取材活動を始める。その年のEUROでイングランドが敗退したウェンブリーでの瞬間はいまだに胸が痛い思い出。その後パリに引っ越し、F1、自転車、バスケなどにも幅を広げつつ、フェロー諸島やブルネイ、マルタといった小国を中心に43カ国でサッカーを見て歩く。地味な話題に興味をそそられがちで、超遅咲きのジャズピアニストを志しているが、万年ビギナー。