ウクライナのドローンがロシア軍の倉庫内へ潜入し、2頭の馬、数台のラーダ、そして2台のオートバイを捉えた映像。82nd Air Assault Brigadeウクライナのドローン操縦士が、ロシア軍が馬やロシア車のラーダを蓄えている拠点を発見した経緯をBusiness Insiderに語った。ロシア軍が、馬や自転車といった「現代の戦争では考えられない移動手段」を多用する場面が目に見えて増えていると彼は話している。ドローン部隊の指揮官は、こうした光景こそが、「ロシア独自の戦い方」であり、ロシアの「兵士や装備がどれだけ失われても構わないという冷徹さ」を象徴していると指摘している。
「コスモス(Cosmos)」というコードネームを持つウクライナのドローン操縦士は、壊れた倉庫の上でクアッドコプターをホバリングさせ、金属の板が崩れ落ちて出来た屋根の穴の隙間から、ドローンを建物の中へと侵入させた。
ドローンパイロット部隊、「ワイルド・ディビジョン(Wild Division)」は、その建物がロシア軍の物資の補給拠点であると目星をつけていたという。場所は、ウクライナ南部の最前線から15kmほど離れた地点だった。こうした隠れ家には、弾薬や燃料が蓄えられていることが多いため、コスモスの操縦していた「光ファイバードローン」には、それらを破壊するための爆発物が積み込まれていた。

イギリス軍はウクライナ兵からドローン戦争を学んでいる…「彼らは英軍がネットを使用していないことに驚愕していた」 | Business Insider Japan
しかし、ドローンを倉庫の中に入れてカメラを回転させてみると、そこは軍事拠点というよりも、まるで農家のガレージのような光景が広がっていた。そこにあったのは、4台の乗用車と2台のオートバイ、そして手綱をつけられた2頭の馬だった。
「こんな光景を目にすることになるとは予想していなかった。これは普通ではない」と、コスモスはBusiness Insiderにコードネームのみを公表するという条件で話してくれた。
「我々は何台かの装甲車を見つけるだろうと考えていた」
この発見を捉えた動画は、2026年2月8日から14日の週にウクライナで瞬く間に拡散した。この戦争では、ロシア兵が攻撃や物資の輸送のために、家畜や自転車といった従来とは違う手段を使うケースが増えているからだ。コスモスによると、このドローンによる任務は2月初旬に行われた。
馬や一般の乗用車のようなサイズが小さいものは、ドローンからは見つけにくい可能性がある。しかし、ロシアがこれらを繰り返し使っている事実は、その戦術が本当に有効なのかという点だけでなく、侵略を続けるための軍事装備を十分に生産できているのかという疑問を抱かせるものだ。
ウクライナ陸軍の第82独立空中強襲旅団(82nd Air Assault Brigade)に所属する、一人称視点ドローン部隊「ワイルド・ディビジョン」の士官たちは、ロシア兵が馬に乗ってウクライナ軍の陣地を攻撃する映像を以前見たことがあるという。
彼らの記憶に残っている有名な例の一つは、ザポリージャで起きた。2026年1月、ウクライナのドローン部隊が馬に乗って最前線を越えようとしていたロシア軍の歩兵を攻撃した時のことだったという。
1年間ドローンを操縦してきたコスモスだが、前線で動物を見たのはその時が初めてだったと語っている。
コスモスは爆薬を積んだドローンを、1台の車両の後部へと突っ込ませ、その後、彼のチームは倉庫内の他の車両も次々と攻撃した。コスモスによると、ロシア軍がこうした「輸送用の機材(馬や車両など)」を移動させると、ワイルド・ディビジョンはすぐさま次の隠し倉庫を特定して、そこにも攻撃を加えたという。
「敵はたいていこうした倉庫の近くに身を潜めている。我々は通常、攻撃対象となり得る場所を事前に偵察する。場合によっては敵の歩兵が見えることもあれば、車両が確認できることもある」
