KDDI、およびローソンは2月24日、大規模災害の発生時に、地域の支援拠点となる「災害支援ローソン」の1号店として、千葉県富津市の「ローソン富津湊店」をリニューアルオープンした。

 災害支援ローソンは、南海トラフのような大地震や、2019年に房総半島に大きな爪痕を残した台風15号のような大規模災害の発生時に、地域住民の生活、通信といったインフラを支えるべく、2030年までに全国100店舗の設置を目指す。

 
 

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 災害支援ローソンでは、災害によって仮に基地局が使えなくなった場合でも通信環境を確保するため、衛星通信サービスの「Starlink」が活用される。

 固定回線、モバイル回線が繋がらなくなった環境でも、Starlinkをバックホール回線とするのに加え、店内に小型基地局「auフェムトセル」を設置することで、KDDI回線利用者は音声通話、データ通信が可能。

 
 

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 KDDI以外の回線を利用している場合も、Starlink経由でWi-Fiに接続することができる。

 
 

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 店内には3面モニターからなるデジタルサイネージが設置されており、平時は通常のプロモーション動画が流れるが、災害時にはL字テロップで災害情報が流れる。

 これは来客向けであるのと同時に、業務中は私用のスマートフォン等を持っておらず、災害情報に気が付きにくい従業員に周知する意図があるとのことだ。

蓄電池
蓄電池

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 災害時の電力は、屋根に設置している太陽光パネルと、店舗の外に置かれた大容量蓄電池にて賄う。災害支援車両が到着するまでの間、店舗の運営や本部との連絡に必要な電力を確保する狙いだ。

 また、社用車として用意されている電気自動車からレジや炊飯器の電力を補完する仕組みも公開された。

 
 

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 店外には避難者がスマートフォンの充電ができるよう、バッテリーチャージャーを設置する。ケーブルはLightning、USB-Cなど複数の端子が用意されており、KDDIユーザー以外にも開放される。

飲み水、生活用水もしっかりと確保

 災害に備え、飲料水も通常の店舗より多くストックされる。備蓄倉庫にて1500リットル以上の飲料水が常備されており、左から右といった形で在庫を回転させて消費していくことで、いつでも大量の飲料水が確保できるようになっている。

 
 

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 製造工場の被災や道路寸断など、さまざまな要因で店舗への商品配送ができなくなった場合でも、顧客に食品を販売できるように、水と米があれば調理ができる「災害時専用メニュー」のおにぎりを作成する。

 
 

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 断水時には、敷地内にある井戸から手動ポンプで水をくみ上げることも可能。こちらは飲料用ではないが、生活用水として活用される。

 
 

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 ほかにも、排泄物を凝固させる災害時用緊急トイレも用意されており、従業員だけでなく、被災者にも提供される。

 
 

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KDDI、ローソンと千葉県富津市は防災および災害対処に関する協定を締結

 ローソン富津湊店のリニューアルオープンに合わせ、KDDI、ローソンと千葉県富津市の3者は、防災および災害対処に関する協定を締結している。

 今後、ドローンを活用した近隣住民への避難勧告、被災状況の確認といった防災DXの取り組みが行われていく見込みとなる。

 ローソン富津湊店はKDDIの通信復旧チームの活動拠点として利用され、災害支援車両の駐車スペース、復旧資材の保管、発電機の設置場所として活用される。

 
 

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 ローソン富津湊店のリニューアルオープニングセレモニーには、ローソン代表取締役社長の竹増貞信氏、KDDI代表取締役社長CEOの松田浩路氏だけでなく、内閣府防災監の長橋和久氏、富津市長の高橋恭市氏も登壇した。

 長橋氏は「日常生活に欠かせないコンビニがいざという時に水、食料、トイレ、情報、通信を提供する「災害支援の拠点」となることは、地域住民に極めて大きな安心をもたらす」とし、今回のKDDI、ローソン、自治体の取り組みを「官民連携による防災力強化のモデル」と評価。

 高橋氏は2019年の台風15号による被害に触れながら、日常的な場所であるコンビニが、有事には物資供給や通信インフラの維持、一時避難場所として「安心の拠点」に変わることの心強さを語っている。

 竹増氏は、ローソンが50年間培ってきた「リアル」な店舗網に、KDDIの「テクノロジー」を掛け合わせ、平時も有事も街の頼りになる存在へと生まれ変わることを強調しており、松田氏は、災害時の対応は普段やり慣れていることしかできないため、「誰もが知っているいつもの場所(ローソン)」を災害時の安心につなげ、日常の生活に組み込んでおくことが極めて重要だとコメントしている。

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