
猫たちを笑顔で眺める住職
奈良県桜井市にある音羽山観音寺。この時期にしては暖かい日でしたが、外で長時間過ごすのはつらい季節です。
乾燥した冬の庭に水やりを終え、台所に戻るとお昼の時間になっています。
「何を食べようかしら」
そう言いながら、後藤住職が出してきたのは以前のご縁日で作った混ぜご飯。住職は炊き込みご飯より、混ぜご飯をよく作るようです。
「お揚げさんが好きだからたくさん入れたいのだけど、前にお揚げさんを入れて炊き込みご飯を作ったら、温度調節がうまくいかなくて米が硬いままだったのよ。揚げを入れても失敗しないから混ぜご飯よ」
そんな理由があったんですね。この日の混ぜご飯にはコシアブラが隠し味に入っていましたが、コシアブラがとれる春にゆでてナムルを作って冷凍してあるそうです。住職の冷凍庫にはそんな「この時期にしか取れない」いろいろな食材が蓄えられているようです。
この日の台所には、シイタケや何かのキノコが干してありました。
「シロヒラタケよ。シロシメジとも言うけどね。一昨年菌をもらって植えたけど、その年は出なかったのよ」
そういえば、昨年末にシイタケ狩りをしたとき、横に白いキノコがありました。
「まずは乾燥よ」
乾燥させて日持ちするもの。冷凍するもの。本当に住職の台所は常備菜の宝庫です。
「タラの芽やらウドやら、山にもよく取りに行っていたのよ」
展望台のある山のこと。明石海峡大橋も条件が良ければ見えるとのことで、展望台を作ったらどうかと信者さんから話が出て、作られたそう。
「早く着きたいから急な階段なのよ」
記者はまだ行ったことがありませんが、話に聞くと、観音寺までの参道以上に山道だそうです。
最寄りのバス停の名前でもある下居や音羽は、昔から薄墨桜が植わっていた地とのこと。もっと桜を植えたいと、献木を募り、200本以上の桜の苗木を植えたそうです。
「鹿が出始めていてね。植えたらすぐに囲いをしないと、人間が植えたものはおいしいと思って食べられるのよ」
一本一本、網で囲いを作っています。山にあった山菜も鹿が食べてしまったそう。
「山の谷間にミョウガもいっぱいあったんだけど、鹿に食べられてなくなったわ」
昔はイノシシもいたそうですが、今は鹿の天下のようです。
鹿に負けず、この春はどれだけ桜の花を咲かせてくれるか、楽しみですね。
音羽山観音寺
山の中にある尼寺。奈良県桜井市南音羽。
JR・近鉄桜井駅下車、桜井市コミュニティバス談山神社行、下居下車、約2km。
火曜日閉門。17日の御縁日が火曜日の時は開門、翌日閉門
※2月末まで冬季閉門中
