F1オーストラリアGPの舞台アルバート・パーク・サーキットのターン6が、二人の女性エンジニアへの献名として「In Her Corner」と命名された。F1サーキットのコーナーが女性に献名されるのは史上初となる。
これは、ハースでエステバン・オコンのレースエンジニアを務めるローラ・ミュラーと、レッドブルでレース戦略責任者を務めるハンナ・シュミッツの功績を称えるもので、国際女性デーを記念したプロジェクトの一環として実現した。
モータースポーツ界に多大な影響を与えた人物の名をコーナーに冠する伝統は各地のサーキットにある。だが、現役エンジニアとしてF1の最前線に立つ二人の女性が選ばれたのは、今回が初めてだ。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
レッドブルのピットウォールに座るプリンシパル・ストラテジー・エンジニアを務めるハンナ・シュミッツ、2022年7月29日F1ハンガリーGP
シュミッツはレッドブルのレース戦略部門責任者を務め、同チームが圧倒的な強さを誇った2022年、2023年シーズンの連覇において中心的な役割を果たした。果敢かつ緻密な戦略判断は、チームに数々の勝利と表彰台をもたらしている。
一方、ハースに所属するミュラーは2025年シーズン、F1史上初のフルタイム女性レースエンジニアとなった人物だ。現在コンビを組むオコンは彼女について、「共に仕事をする上で最高の存在」と称賛している。
Courtesy Of Haas
ハースのガレージ内でエステバン・オコンおよびレースエンジニアのローラ・ミュラーと話す平川亮、2025年12月5日(金) F1アブダビGPフリー走行(ヤス・マリーナ・サーキット)
ミュラーは今回の栄誉について、「“In Her Corner”は、『目にできれば、自分もなれる』という考えの大切さを伝えるものです。エンジニアリング分野での女性の成果に光を当てられるなら、それは素晴らしいことです」と語る。
「F1キャリアの早い段階でこのような評価を受けられるのは光栄です。若い世代がSTEM分野を志すきっかけになればと願っています。モータースポーツにおける女性の活躍が認識されたことには大きな意味があります。ハンナと並んで選ばれたことをうれしく思います」
シュミッツもまた、自身の原点が好奇心と教師たちのサポートにあったことを振り返りつつ、「この仕事が本当に好きです。常に物事の仕組みに興味があり、クルマが好きでした。昨季カタールでチームを代表して表彰台に立てたことは光栄でした。ドライバーズ選手権争いの中で、チームが一丸となる姿を見るのは特別な経験でした」とコメントした。
今回の献名は、次の世代へ向けたメッセージとなる。
オーストラリア・エンジニアリング協会のチーフエンジニア、キャサリン・リチャーズ氏は、「世界でも象徴的なサーキットの一角に、現在のF1を形作る二人の女性の名を刻むことを誇りに思います」と述べた。
