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 IPCは2月17日、これまで制裁下にあった両国から計10人がミラノ・コルティナ冬季パラリンピックに出場することを確認。内訳はロシアが6枠(パラアルペン2、パラ・クロスカントリー2、パラスノーボード2)、ベラルーシがクロスカントリー4枠で、IPC広報責任者のクレイグ・スペンス氏は「他国と同じ条件で参加できる」と説明したが、国旗・国歌などの扱いについては明確に肯定も否定もしなかったという(英国の五輪専門メディア『inside the games』による)。
 
 これに対し、ウクライナ側は強硬姿勢を示し、同国のスポーツ相マトヴィー・ビドニー氏は、選手団は競技を続けるものの、政府としては「ボイコット」を表明。「ウクライナの公的関係者は、ロシアとベラルーシが国旗の下で出場するという決定に抗議し、同イベントでの開会式や公式行事に出席しない」とし、これらの動きは「制度的・式典的レベルに限られる」と強調した。

 さらにウォロディミル・ゼレンスキー大統領も声明を発しており、英国の司会者ピアーズ・モーガン氏の番組で、両国の復帰を「汚く、不公平だ」と非難し、「価値観の面で欧州的ではない」「完全に不当だ」と述べている。

 もし両国が国旗掲揚を許された場合、各国大使に「開会式欠席」を働きかけるよう、ウクライナの外相が指示したと伝えられているが、開催国イタリアでも「受け入れの線引き」が議論となっている。ロシア側は代表団を23人規模と発表しているが、ローマでは外交的な対立が表面化。現地報道として、イタリア外相がロシア・ベラルーシ代表団に帯同する技術・医療スタッフへのビザ発給を見送る措置を提案したとされ、政府内でも賛否が分かれているという。

 このような反応に対し、ロシア側は「政治より選手が中心」と反論。ロシア通信社『TASS』によれば、ロシア・パラリンピック委員会のパーヴェル・ロジュコフ会長は、ウクライナ政府関係者の不参加について「パラリンピックの中心は、官僚ではなく選手。政府関係者が行くか行かないかは二次的だ」と主張。「2016年と2022年にチーム全体が排除された」経験を挙げ、「重要なのは選手が競えることだ。示威的なボイコットが支援になるというのは誤解で短絡的だ」と語っている。

 こうした動きを受けて、英国の日刊紙『The Guardian』は、より大きな潮流として「ロシアのスポーツ界復帰が近づいている」との見立てを示し、ミラノ・コルティナ五輪でロシア選手が中立選手(AIN)として参加している現状に触れつつ、ロシア国内では五輪への視線が強まり、政権幹部やメディア論客が「国旗・国歌の復帰」に自信を深めていると報道。さらにロシア側が4~5月にも国際復帰があり得るとの強気な観測を示し、IOC(国際オリンピック委員会)に対して法的措置も辞さない姿勢をにじませていることを報じた。

 冬季パラリンピック開幕(3月6日)が迫る中、IPCの判断は「競技機会の確保」と「戦争下の象徴の扱い」という2つの論点を世界に鋭く突きつけた。ロシアとベラルーシの出場枠は10人に限られるとはいえ、開会式や表彰式での、国旗や国歌の使用の可否をめぐる駆け引きは、開催国イタリアの対応も巻き込みながら、今冬にたびたび話題に挙がっている政治的緊張をさらに増幅させそうである。

構成●THE DIGEST編集部