(CNN) スペインでこのほど、考古学者らが約2200年前にさかのぼるゾウの骨を発見した。研究チームは、共和政ローマへの侵攻に派遣された軍隊で「戦争兵器」として使われたゾウの骨との見方を示している。

学術誌「ジャーナル・オブ・アルケオロジカル・サイエンス・リポーツ」に掲載された論文によると、スペイン南部コルドバのコリーナ・デ・ロス・ケマドス遺跡で足首の骨が見つかり、研究者らが放射性炭素年代測定を実施したところ、おおよそ紀元前4世紀初頭から紀元前3世紀後半にかけて生息していたゾウのものと確認された。

この時期、現在のチュニジアにあった都市国家カルタゴは、地中海の覇権をめぐって共和政ローマと争いを繰り広げていた。

論文によると、カルタゴ人はゾウを自軍の「戦争兵器」に使ったことで知られる。古典古代の記述では、カルタゴの名将ハンニバルは紀元前218年~前201年の第2次ポエニ戦争中、ゾウ37頭を率いて現在のスペインとフランスを抜け、アルプス山脈を越えてイタリアに攻め込もうとしたと伝えられている。

骨が発見された考古学遺跡の眺め=スペイン南部/Agustín Lopez Jimenez
骨が発見された考古学遺跡の眺め=スペイン南部/Agustín Lopez Jimenez

史料にはハンニバルのゾウ部隊の信じがたい光景に言及した記録が残されているが、西欧ではこれまで、ゾウの存在を直接示す物的証拠は見つかっていなかった。

放射性炭素測定による年代が第2次ポエニ戦争の時期とおおむね一致していることに加え、研究者はハンニバル説をうかがわせる手がかりとして、骨と一緒に砲兵が使用する丸い石弾12個が見つかった点にも言及。「おそらく軍事的な文脈を示すものだ」との見方を示した。

骨が珍品や記念品として持ち込まれた可能性もあることから、研究チームは骨1点が単独で見つかっただけでは、ゾウの個体が現地にいた証拠にはならないと認めている。だが論文では、「歴史記録や考古学記録から、第2次ポエニ戦争の出来事との直接、間接の関連が最も妥当な説明とみられる」と指摘。さらに投射物や矢じりの存在に触れ、暴力的な出来事の後に残されたものかもしれないとの見方を示した。