
チラシを手にする田村さん(右)とシノワ大久保・石黒店長
川崎アゼリアで2月上旬に開かれた「愛媛フェア」の初日、「川崎・東京案内人」を標榜し、川崎や東京の観光ガイドボランティアとして活動する田村豊さん(65)は「5年前に果たせなかった約束が実現できた」と感慨深げに語った。
8年目を迎えた同フェアは、田村さんが川崎市東京事務所長時代、愛媛県東京事務所との情報交換をきっかけに始まった。「川崎は全国各地から人が集まる多様なまち。だから市民は物産展が大好き」。かわさき市民祭りや催事を数多く見てきた田村さんはそんな思いを持つ。「開催すれば、多くの市民が喜ぶ上、愛媛県の元気にもつながる」。田村さんの期待通り、フェアは好評を博した。1回目のフェア直前には西日本豪雨が襲ったが、多くの市民が応援した。「市民の温かさを感じる機会にもなった」という。
5年前、地域の飲食店を巻き込んだフェアでさらなる盛り上げを画策。ただこの時はコロナ禍で実現に至らず、田村さんにとってはコラボフェアは「宿題」となった。そこまでこだわるのには理由があった。物産展開催のたびに愛媛県の職員が売店に立ち、懸命に呼び込む姿に感動を覚えたからだ。同県は県民性のひとつである「まじめ」を統一コンセプトに、観光や移住、物産、食など、さまざまな角度から愛媛の魅力を伝える取り組みを行っているが、「まさにそれを体現していると感じた」。
今回のフェアには「中華料理成喜」「中華菜館chinois大久保」(以下シノワ大久保)「丸大ホール本店」が協力し、それぞれ愛媛県の食材を使ったメニューを提供した。いずれも愛媛県の職員と田村さんの二人三脚で口説いたお店だ。
シノワ大久保の石黒修店長(51)は、同店の料理人が修行していたのが愛媛県の店であった関係もあり参加を決めたという。フェアでは同県産の真鯛を使った蒸し物と、ちりめんじゃこと松の実の山椒風味炒め、レタス包みを提供。反響を見ながら今後のお勧めメニューに加えるとしている。石黒さんは日本中国料理協会にも所属し、業界にも取り組みを紹介したいと意気込む。
フェアで一番うれしいことの問いに「愛媛県、出店業者、飲食店のみなさんの力がひとつになったこと」と答えた田村さん。さらに盛り上げようと、秋のかわさき市民祭りへの出店にも期待を込める。
