このAFKでは、参加アーティストの支援を目的としたアワード「マイナビ ART
AWARD」を実施。今年は審査員を一新し、神谷幸江(国立新美術館学芸課長)、牧口千夏(京都国立近代美術館主任学芸員)、山本浩貴(文化研究者・実践女子大学准教授)、そして椿が審査委員となり、最優秀賞(賞金100万円)に中西凛が選出。また優秀賞には、伊地知七絵、白籏花呼、高橋凛、リベッカ・ドローレンの4名が選ばれた。これらの作家を含む40組(+アドバイザリーボード)が集う各会場を紹介したい。

重要文化財に広がる「特異点」。拡大した明治古都館での新たな空間体験

 メイン会場となるのは、昨年同様、京都国立博物館の「明治古都館」だ。同館は、1897年に「帝国京都博物館」として開館したもので、宮内省内匠寮の技師・片山東熊設計による重厚な空間が大きな特徴。その内部に、ドットアーキテクツによる現代的な展示空間が広がる。また今回は展示室の使用エリアを拡大。通常は非公開となっている中央ホールから続く空間に、公募とアドバイザリーボードの推薦によって選ばれた40組の若手アーティストたち(*)の作品が並んでおり、見応えは十分だ。

 会場に入ってまず圧倒されるのは、その「ライブ感」だろう。AFKの最大の特徴は、会場に作家本人が常駐していること。コレクターも、初めてアートに触れる観客も、作品の背景や制作のプロセスを作家から直接聞くことができる。昨今のマーケットの過熱とは一線を画した、アーティストと観客の熱を帯びた「対話」が、この重要文化財の中に満ちている。

 なお、同館敷地内にある茶室「堪庵」では、AFKから羽ばたいた画家・品川亮が「旅」をテーマに個展を開催。山水画の構図になぞらえて、様々な絵を配置しており、鑑賞者は旅をするように、茶室内のあちこちに配された墨絵を楽しむことができる。

*──参加アーティストは以下([]は推薦者)。會見明也[薄久保香]、綾野文麿[田村友一郎]、安藤項司[公募]、イケナナ[ロバート・プラット]、伊地知七絵[公募]、井上息吹[薄久保香]、彌永ゆり子[公募]、小笠原周[ヤノベケンジ]、岡田真由美[津田道子]、小林太郎[名和晃平]、酒井千明[加藤泉]、澤あも愛紅[公募]、品川美香[公募]、白石効栽[鬼頭健吾]、白簱花呼[池田光弘]、髙橋凜[田村友一郎]、チョ・ウニョン[公募]、辻大輝[笹岡由梨子]、椿野成身[大庭大介]、Thomas
Pepito
Vauthier(トマ・ペピト・ヴォティエ)[公募]、中田愛美里[大巻伸嗣]、ナガタダイスケ[鷹野隆大]、中西凜[Yotta]、中谷優希[公募]、成山亜衣[ミヤケマイ]、恥ヵ9↙まなか[椿昇]、長谷川翔[公募]、春田紗良[大庭大介]、広瀬里美[大巻伸嗣]、広田郁也[名和晃平]、堀江たくみ[津田道子]、真崎茜[ロバート・プラット]、松岡日菜子[公募]、松岡柚歩[鬼頭健吾]、見島澪佳[笹岡由梨子]、閔麗珊(ミン・リセン)[ミヤケマイ]、矢部もなみ[椿昇]、山下雅己[池田光弘]、Rebecca
Drolen(リベッカ・ドローレン)[オサム・ジェームズ・中川]、Liliana Guzmán(リリアナ・グスマン)[オサム・ジェームズ・中川]。

文=橋爪勇介(編集部)