欧州の情報機関トップ、年内のウクライナ和平合意に懐疑的

 2月19日、欧州の複数の情報機関トップは、ロシアのウクライナ戦争を終結させる合意が今年中に成立する見込みについて悲観的な見方を示している。写真は、ロシアによるウクライナ攻撃が続く中、ロシアのドローン攻撃の現場に立つ住民。ウクライナのオデーサで17日撮影(2026年 ロイター/Nina Liashonok)

[ミュンヘン 19日 ロイター] – 欧州の複数の情報機関トップは、ロシアのウクライナ戦争を終結させる合意が今年中に成立する見込みについて悲観的な見方を示している。

欧州の情報機関のトップ5人は匿名を条件にロイターに対し、ロシアが戦争を迅速に終結させたいと考えていないと発言。うち4人は、ロシアが米国との協議を利用して、制裁緩和やビジネスの獲得につなげようとしていると指摘した。

トランプ米大統領は、自身が仲介した協議により合意の可能性が「かなり近づいた」と主張しているが、欧州のある情報機関トップは「協議は『交渉劇場』だ」と指摘。

別の情報機関トップは「ロシアは和平合意を求めていない。求めているのは戦略目標の達成であり、それは変わっていない」と述べた。戦略目標には、ゼレンスキー・ウクライナ大統領の排除や、ウクライナを西側に対する「中立」緩衝地帯にすることが含まれるという。

2人目の情報機関トップは、主な問題は、ロシアが迅速な和平を望んでおらず、必要ともしておらず、その経済は「崩壊寸前ではない」ことだと述べた。

ウクライナとロシアの交渉団は今週、米国の仲介で今年3回目の会合を開いたが、領土問題など主要な争点で進展はなかった。

第2の情報機関トップは、ロシアがドネツク州の残りを獲得すれば領土面で満足する可能性があるものの、それだけではゼレンスキー政権を転覆させるという目標を達成できないだろうと分析。

第3の情報機関トップは、ウクライナがドネツクを割譲すれば、速やかに和平合意に至るとの見方は誤りだとし「ロシアがそうした譲歩を確保した場合、本当の交渉が始まり」その後さらに要求を積み増すとの見通しを示した。

この情報機関トップは、証拠は示さなかったものの、欧州を含めた西側全体の交渉スキルが「非常に限られている」ことに懸念を示した。

米国側の交渉は、トランプ氏の友人で不動産開発業者のスティーブ・ウィットコフ氏と、トランプ氏の娘婿ジャレッド・クシュナー氏が主導している。両氏は他の紛争でトランプ氏のために動いた経験はあるが、職業外交官ではなく、ロシアやウクライナに関する専門性もない。

ホワイトハウスのケリー報道官は、匿名の批判は米国の取り組みの助けにならないとし「トランプ大統領とそのチームは、殺害を止め、和平合意を実現するために、両者を引き合わせる上で誰よりも多くのことをしてきた」とコメントした。

情報機関トップ2人によれば、ロシアは協議を2本立てにしようとしている。戦争に的を絞った協議と、制裁緩和も含めた米国との二国間取引に的を絞った協議という。

ゼレンスキー氏によると、米ロの交渉担当者はロシア側のキリル・ドミトリエフ特使が提案した最大12兆ドル規模の二国間の協力取引について協議している。

第2の情報機関トップは、同特使の提案について、トランプ氏とロシア新興財閥(オリガルヒ)の双方にアピールする狙いがあると分析。ロシア社会は「強靱で、困難に耐え得る」との認識も示した。

一方、第3の情報機関トップは、ロシアが制裁による資本市場アクセスの制約や高い借入コストなどを理由に、今年後半に「非常に大きな」金融リスクに直面するとの見方を示した。

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Gram Slattery

Gram Slattery is a White House correspondent in Washington, focusing on national security, intelligence and foreign affairs. He was previously a national political correspondent, covering the 2024 presidential campaign. From 2015 to 2022, he held postings in Rio de Janeiro, Sao Paulo and Santiago, Chile, and he has reported extensively throughout Latin America.