香川県善通寺市は、有権者が投票所に設置された電子端末で投票する「電子投票」を検討している。3月の定例市議会に関連条例案を提出し、可決されれば、来年春に予定される市議選から導入される見通しだ。書き間違いによる無効票が減少し、開票作業の時間短縮、職員の負担軽減にもつながるとされる。担当者は「有権者の意見がきちんと票につながる」とメリットをあげる。

香川県善通寺市が示した電子投票の画面香川県善通寺市が示した電子投票の画面

 電子投票は、2002年2月施行の地方自治体電子投票特例法に基づき、自治体が条例を制定すれば、知事、市区町村長、地方議員の選挙で実施できるとしている。

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 総務省などによると、02年の岡山県新見市長選・市議選で初めて実施。通常、数時間かかっていた開票作業はわずか25分で終了し、普及が期待された。しかし、03年の岐阜県
可児(かに)
市議選で、投票所の端末とネットワークでつながった集計用のサーバーが過熱し、投票ができなくなるトラブルが発生。最高裁で選挙無効が確定し、再選挙となった。その後はシステムトラブルへの懸念から敬遠する自治体が多く、24年12月の大阪府四條畷市長選で8年ぶりに取り入れられた。

 善通寺市が公表した条例案によると、5月に施行する予定で、電子投票は市長選・市議選に限る。点字投票や不在者投票、仮投票は従来通り投票用紙を使用する。有権者は、投票所に設置されたタブレットで候補者名を選択し、1票を投じる。結果はUSBなどの記録媒体に保存され、開票所に集めて集計される。

 市職員を動員して手作業でしていた従来の開票作業が不要になり、担当職員の削減や、開票時間の短縮を期待できるという。市選挙管理委員会は「字が読めないなどでの無効票が0になり、開票作業の人員も5分の1の20人程度に削減できる」と強調する。

 一方で、導入には総務省が認可した事業者のシステムの採用や、必要な機器のレンタルに経費がかかる。市の試算では、1回の選挙で1000万~1500万円ほどが必要とみている。市は「うち6~7割程度は国の特別交付税措置で賄える」と説明している。

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