Bリーグの魅力と現在地、そして伸びしろを深掘りする連載「Basketball Boice」。アルティーリ千葉編の第2弾は、2021-22シーズンのBリーグ参入時から主将を務める大塚裕土にフォーカスする。今シーズン限りでの現役引退を表明したベテランは、どんな思いで最後のシーズンに臨んでいるのか。そして、選手の目に映るアルティーリ千葉の魅力とは――。新居佳英社長の動画も公開中だ。

 2025年10月末。シーズン開幕から間もないタイミングで、大塚裕土は今シーズン限りでの現役引退を表明した。

 現役生活16年目で下した決断だった。

 大塚が東海大学を卒業し、プロの世界に飛び込んだのは2010年。当時の男子トップリーグは、日本リーグを前身とするJBLと、2005年に完全プロ化を掲げて誕生したbjリーグが併存していた。

 その構図に終止符が打たれたのが、2016年のBリーグ誕生だった。以降、男子バスケットボール界は右肩上がりの成長を遂げ、現在の隆盛へとつながっている。

 大塚は、大袈裟に言えばBリーグの「紀元前」と「紀元後」を知る選手だ。日本バスケットボール界の激動を、現場で体感してきた。

「大学を卒業してから今までで、本当にガラッと変わりました。当時は想像できないぐらいファンの方がアリーナに来てくれますし、マーケットも大きくなりました。外国籍選手のレベルも上がり、日本代表を通して日本人選手のレベルもぐっと上がった。あの頃には考えられない規模の世界になっていて、いいタイミングでプロ生活を送れたなと思っています」

 最大の武器であるアウトサイドシュートに磨きをかけ続け、Bリーグ開幕以降の5年間で、大塚は3つのB1クラブを渡り歩いた。

 2017年から2シーズン所属した富山グラウジーズでは、自身の存在価値をリーグ内で確立。2019年にはBリーグ・オールスターゲームでMVPを獲得した。その後移籍した川崎ブレイブサンダースでも主力として活躍し、2021年には天皇杯優勝に貢献する。

 移籍の回数は多く映るが、常に「自身の力を最大限に生かせる場所」を求め続けた決断だった。

「最初は話半分」だったA千葉への加入

 初めての日本一を経験した2021年オフ。大塚のもとに、Bリーグ新規参入クラブ・アルティーリ千葉からオファーが届く。

 しかし、当初は現実味がなかったという。

「正直、最初は話半分でした。自分がそこでプレーするイメージはまったくなかったですね」

 新設クラブはB3からのスタート。B1に到達するには、早くても2年はかかる。さらに伝えられたのが、ヘッドコーチとしてアンドレ・レマニス氏を招聘するという話だった。

 2016年リオ五輪、2019年FIBAワールドカップでオーストラリア代表をベスト4に導いた名将であり、世界的に高い評価を受ける指導者だ。

「最初は信じていませんでした(笑)。過去にも、よく見せるオファーはありましたから。でも、正式にレマニスHCとサインしたと聞いて。さらに、富山時代に相性の良かったレオ・ライオンズも来ると分かり、選択肢として考え始めました」

 大塚が大切にしたのは、「自分は何をやりたいのか」「どこで力を発揮できるのか」。複数のB1クラブからオファーを受ける中で、社会人として生活を送っていた大学時代の同期に意見を求めた。

「川崎みたいな歴史あるクラブから、新しくできるチームに行く選択って社会ではあるのかな? と聞いたら、『全然あるでしょ。大企業から独立して、ベンチャーで起業するようなものじゃない?』って。結局、自分がそこで何をできるかだよね、と言われて、確かにそうだなと思いました」

 自分がやるべきことをやり、チームを作っていけば、それ自体が実績になる。そして、このクラブを将来的にB1の“良いチーム”にしたい――。

 その思いが、大塚の背中を押した。

 こうして大塚裕土はアルティーリ千葉への移籍を決断。ゼロから始まる挑戦の中心に、自らの身を置くことになった。

Tomosuke ImaiTomosuke Imai

 この動画では、ほかにも次のようなテーマについて語ってもらっている。


主将に任命された背景
今だから言える岡田優介への“注文”
B1昇格までの苦闘と周囲の反応
アルティーリ千葉の特色
現役引退を決断した理由
B1での戦いと今後の展望

 16年のプロ生活も残すところ約半年となった大塚選手の約35分間のインタビュー、ぜひご覧ください。(12月18日取材)

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photograph by Tomosuke Imai