50年前ダムに沈んだ集落が姿

かつてこの場所には、約400人が暮らす集落があったが、ダム建設と共に深い水の底へ沈んでしまった。

ダム完成から50年余り。記録的な少雨でダムの貯水率低下が深刻となる中、普段は水に覆われ目にすることのないダムの底が、50年の時を経て姿を現した。

2026年2月16日、福岡県内21の主要ダムの平均貯水率は41.6%。『平成の大渇水』と呼ばれた1994年以来、過去2番目の低水準を記録した。

特別に許可を得た取材班。江川ダムを訪れ、急斜面を下って行くと、水は枯れ、地面はひび割れていた。記者が、満水時には10メートルの深さに当たる場所に立つと辺りには、民家の石垣のようなものがあった。

花が咲き誇り 祭りで賑わう村が

花が咲き誇り、地域の祭りには、多くの人が参加し、西鉄バスも走っていという。

1967年に放送されたニュース映像を見ると、「1番最初の着手すべきところは、江川ダムでございまして、江川ダムには70戸に及ぶ水没ができる訳でございます」と語る当時の関係者のインタビューが残されていた。

生活に欠かせない『水』を確保するため、住民たちは移転を余儀なくされ、集落は深い水の底に沈んだ。

「あの石垣の上の方に家があって、この辺りは農地というか…。50年前のものが今でも残っているというところも非常に歴史があるというか、ここで生活されていた住民の方に移動して頂いてダムができたというところは、非常に感謝しております」と筑後川上流総合管理所の山口浩二所長が、当時の人々の苦渋の決断に思いを馳せる。

渇水で姿を現した『ダムに沈んだ集落』江川谷。壁や石垣は乾いた泥に覆われ、当時の面影はわずかに残るのみだ。その姿を見ながら山口所長は、「今後、雨が降って、早く水位が回復することを祈っております」と呟いた。

全国的に深刻な雨不足が続く中、福岡県の服部知事は、2月14日、緊急の『渇水対策本部』を設置した。

冬場の設置は、実に20年ぶりで、県内14の市や町で水道の水圧を下げる『減圧給水』を実施している他、夜間断水も検討されており、更なる節水が必要となりそうだ。

(テレビ西日本)

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